プロメガ製品 Q & A 【 HaloTag® Technology 】

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HaloTag®一般

Q. HaloTag® Technology とはどのような技術ですか?

Q. HaloTag® を使って、どのようなことが出来るのですか?

Q. HaloTag®とリガンドはどのように結合するのですか?

Q. HaloTag®タンパク質とHaloTag®リガンドの結合に影響を及ぼす因子にはどのようなものがありますか?

Q. 一度結合したリガンドをHaloTag®から取り除くことはできますか?

Q. 発現量を確認するにはどうすればよいですか?

Q. バクテリアで使用できますか?

Q. 植物細胞で使用できますか?

Q. in vitro翻訳でタンパク質を合成できますか?

Q. HaloTag® タンパク質の発現ベクターにはどのようなものがありますか?

Q. 従来のHaloTag® とHaloTag® 7の違いは、何ですか?

Q. 蛍光タンパク質を用いたイメージングとはどのように違うのですか?

Q. 長時間のイメージングを予定していますが、HaloTag®を用いた場合、どれくらいの期間アッセイすることが可能ですか?

Q. パラフィン等で固定化後の組織切片に対してリガンドを標識することはできますか?

Q. 組織の標識にもちいることは可能ですか?

Q. 個体を用いたイメージングに用いることは可能ですか?また、事例はありますか?

Q. HaloTag® Technologyを用いた文献はありますか?

HaloTag®タンパク質

Q.  HaloTag®タンパク質はバクテリア由来のHalo-alkane dehalogenaseの遺伝子改変産物とのことですが、その元となるバクテリアの種は何を用いているのですか?

Q. HaloTag®タンパク質の分子量は、33 kDaとのことですが、HaloTag®と融合させたタンパク質の活性は保持されているのですか?

Q. HaloTag®タンパク質は、翻訳後修飾など活性型への構造的変化はみられますか?(ある場合)その変化にどのくらいの時間を要しますか?

Q. 哺乳動物細胞内にHaloTag®タンパク質と同様の活性をもつタンパク質はありますか?

Q. HaloTag®タンパク質に結合する因子にはどのようなものがあるのですか?

Q. HaloTag®タンパク質の半減期はどれくらいですか?

Q. HaloTag®タンパク質に対する抗体はありますか?

Q. HaloTag®を使ってタンパク質の分解過程を定量化できますか?

HaloTag®リガンド

Q. HaloTag®リガンドにはどのようなものがありますか?

Q. 自作のリガンドを合成して実験してもよいですか?

Q. TMRDirect®およびR110Direct® Ligandとは何ですか?

Q. HaloTag®リガンドは細胞に対して毒性を示しますか?

Q. diAcFAMは細胞内のエステラーゼによってFAMに変換されるとのことですが、その変換には、(diAcFAMを培地に添加してから)どれくらいの時間がかかりますか?

Q. リガンドの保存条件と保証期間はどれくらいですか?

Q. リガンドの膜透過のメカニズムはどのようなものなのですか?

Q. Hプロトコールではリガンド標識のためのインキュベーション時間を15分間に設定していますが、短くすることは可能ですか?

Cell To Gel Assay

Q. Cell to Gel Assayとはどのようなことですか?

Q. Cell To Gel Assayでの検出感度はどの程度ですか?

Q. 検出できる蛍光ゲルスキャナーにはどのような装置がありますか?

Q. どの蛍光リガンドでもCell-to-Gel Assayは可能ですか?

Q. Cell To Gel Assayを行いましたが、バックグラウンドが高くなってしまいます。何か対処法はありますか?

Q. 製品プロトコール(TM260) に記載されているライセートサンプルはどのように調製していますか?

Q. リガンドの結合によってSDS-PAGEの移動度は変化しますか?

Felxi® HaloTag® Clone

Q. HaloTag®タンパク質が融合しても影響はありませんか?

Q. C末側にHaloTag®を融合することは出来ますか?

Q. 発現タンパク質の精製用のレジンはありますか?

Q. HaloTag®を除く(ORFだけを取得する)ことは出来ますか?

HaloTag®融合タンパク質精製/プルダウン

Q. HaloLink™ Resin とHaloLink™ Magnetic beads、どちらを選べばよいですか?

Q. HaloLink™ Resinに結合したHaloTag®融合タンパク質をResinから分離するにはどうすればよいですか?

Q. 目的タンパク質をTEVプロテアーゼでHaloLink™ Resinから切断した後、TEVプロテアーゼを除去することはできますか?

Q. HaloTag® Mammalian Pull-Down Systemに関して、作業時間はどれくらいかかりますか?途中で作業を中断できますか?

Q. HaloTag® Mammalian Pull-Down Systemで核酸を結合したタンパク質を単離することはできますか?

[ 解 答 ]

HaloTag®一般

Q. HaloTag® Technology とはどのような技術ですか?

A. HaloTag®タンパク質(以下HaloTag®)とHaloTag®リガンド(以下リガンド)の共有結合を利用したタンパク質の標識技術です。培養細胞内で発現させたHaloTag®にリガンドを付加することにより、リガンドの特性に応じて蛍光イメージングやタンパク質の精製を行うことができます。
 

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Q. HaloTag® を使って、どんなことが出来るのですか?

A. 現在、タンパク質の精製、タンパク質定量、タンパク質-タンパク質相互作用の検出、タンパク質-DNA相互作用の検出、蛍光イメージング、などのアプリケーションがあります(図0)。この他にも工夫次第で様々なアッセイに使用できる可能性を秘めています。
 

図0. HaloTag®アプリケーション概要
各アプリケーションの詳細はHaloTag® ガイドをご参照下さい。

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Q. HaloTag®とリガンドはどのように結合するのですか?

A. 分子量33kDaのHaloTag®には活性中心(Asp106)付近に構造上、ポケットが形成されており、そのポケットにリガンドのリンカー部位が挿入します(図1)。

図1. HaloTag® タンパク質の構造とリガンドとの結合様式

天然型の脱ハロゲン化酵素では、活性中心で加水分解を伴う脱ハロゲン化反応が起こりますが、HaloTag®ではアミノ酸置換により加水分解が抑えられ、活性中心に共有結合が形成されます(図2)。

図2. HaloTag® テクノロジーの基本原理
 

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Q. HaloTag®タンパク質とHaloTag®リガンドの結合に影響を及ぼす因子にはどのようなものがありますか?

A. HaloTag®タンパク質とHaloTag®リガンドの結合に影響を及ぼす因子には、以下のものがあります。
高濃度の界面活性剤:
酸性条件下: pH 4-5

プロテアーゼ阻害剤*: AEBSF、Complete Protease Inhibitor Cocktail Tablets(Roche)
(注* :HaloLink™との結合での阻害が確認されていますが、蛍光リガンドに対しては影響が少ないです)

下記の条件では、反応阻害はほとんど見られません。
低濃度の界面活性剤:
アルカリ性条件下: pH9-10
タンパク質変性剤(HaloTag® 7のみ): 0.75-1% ホルムアルデヒド
プロテアーゼ阻害剤: Aprotinin, Leupeptin, Pepstatin A, Beszamidine, PMSF, BaculoGold PI (BD, Cat#554779)
(注* :使用できる界面活性剤の種類や濃度に関しては、各製品の最新のマニュアルをご確認ください。)
また低温(4℃)での反応には時間がかかる場合があります。
不明な場合は、テクニカルサービス部までお問い合わせください。
 

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Q. 一度結合したリガンドをHaloTag®から取り除くことはできますか?

A. HaloTag®とリガンドの結合は不可逆的です。取り除くことはできません。
 

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Q. 発現量を確認するにはどうすればよいですか?

A. CBB染色の他、サンプル中のHaloTag®融合タンパク質をHaloTag® 蛍光標識Ligandで標識し、SDS-PAGE後に蛍光ゲルイメージャーで可視化して確認できます。あるいはAnti-HaloTag® pAbを使用してウエスタンブロッティングを行うことも可能です。
 

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Q. バクテリアで使用できますか?

A. 大腸菌での報告例があります(参考文献1)。
また、HaloTag®発現コロニーを直接検出することもできます (使用例はこちら)。標識にはTMRリガンドを用いており、直接LB培地に加えています。特殊なプロトコールは不要でTMRリガンドは細胞内に取り込まれていきます。
上記の報告ではTMRリガンドを使用していますが、大腸菌でdiAcFAMリガンド、Oregon Green®リガンドの使用は推奨いたしません。diAcFAM、Oregon Green®はエステラーゼによってそれぞれFAM、Oregon Green®に変換されますが、大腸菌はエステラーゼを持たないので、これらのリガンドは蛍光を発しません。

参考文献:
1. Hata, T. and Nakayama, M. J. Biochem. Biophys. Methods 70, 679-682 (2007)
 

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Q. 植物細胞で使用できますか?

A. プロトプラスト、また葉細胞での使用例があります(参考文献2-4)。標識にはTMRリガンド、diAcFAMリガンドを使用しています。特殊なプロトコールは不要で、細胞培養液に直接リガンドを添加する、またはリガンド希釈液に直接葉を浸しています。

参考文献:
2. Lang, C. et al. J Exp Bot. 57(12)2985-92 (2006)
3. Shinohara H, and Matsubayashi Y. Plant J, 52,175-184 (2007)
4. Ogawa, M. et al. Science 319, 294 (2008)
 

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Q. in vitro翻訳でタンパク質を合成できますか?

A. プロメガでは、TNT® Systemのウサギ網状赤血球ライセート(Rabbit Reticulocyte Lysate)、小麦胚芽抽出液(Wheat Germ Extract)、E.coli S30 Extract SystemでHaloTag®の発現を確認しています。またIn Vitro昆虫細胞発現系での使用例もあります(参考文献5)。

参考文献:
5. Nagase, T. et al. DNA Research 15(3)137-49 (2008)
 

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Q. HaloTag®タンパク質の発現ベクターにはどのようなものがありますか?

A. HaloTag® 7発現用ベクターとして下記ベクターを用意しています(表1)。
 

表1 HaloTag® 7発現用ベクター

注) HaloTag® 7発現用ベクターはFlexi® Vector Systemのベクターであるため、薬剤耐性遺伝子としてAmprを持つベクター(末尾がA)とKanrを持つベクター(末尾がK)が用意されています。Flexi® Vector Systemについてはこちら。

基本ベクター
哺乳動物発現用のpFC14A/K(C末タグ)とpFN21A/K(N末タグ)、大腸菌発現用のpFN18A/K、無細胞発現用のpFN19A/Kです。

選択ガイド
http://www.promega.com/pnotes/100/16620_13/16620_13.pdf

CMV Deletionベクター
pFC15~17A/K、pFN22~24A/Kは、CMVプロモーターを改変し、発現量が低くなるように設計されています。pFC17A/KおよびpFN24A/Kが最も発現量の低いベクターになります。
HaloTag®融合タンパク質の発現量が高すぎると、イメージングがうまく行かない場合や、HaloCHIP™ Systemでアッセイ結果が影響を受ける場合があります。このような場合はより発現量の低いプロモーターを選択することで、アッセイ結果が改善されるケースがあります。

参考資料
http://www.promega.com/pnotes/100/16620_16/16620_16.pdf

pHT2ベクター:
pHT2ベクターは、古いタイプのHaloTagを発現するベクターです。pHT2 VectorはN末端、C末端融合タンパク質のどちらも作成することができますが、リンカー配列が短いため、融合タンパク質として発現させた場合、リガンドとの結合が不十分であったりすることもあります。論文での使用実績もあるため継続して販売していますが、新しいFlexiタイプのHaloTag7発現ベクターの使用をお勧めします。

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Q. 従来のHaloTag®とHaloTag® 7の違いは何ですか?

A. HaloTag® 7は、従来のHaloTag®と比べて以下の点が改善されました。
① リガンドとの結合速度が速くなった
TMRリガンドで約7倍 (2×107 M-1 sec-1)、diAcFAMリガンドで約50倍 (1×106 M-1 sec-1)早くなりました。
② 発現効率が改善された
特に大腸菌での発現効率が改善され、数十倍~100倍以上の発現が得られるようになりました。哺乳動物細胞やin vitro転写/翻訳系でも数倍~数十倍の発現が得られています(社内データ)。
③ 発現タンパク質の安定性、可溶性が向上した
HaloTag® 7は従来のHaloTag® に比べて高温でも活性が安定になりました。また融合タンパク質の可溶性が向上し、よく使用されるGSTタグよりもパートナータンパク質が可溶化しやすくなり、MBPタグと同等の可溶化率が得られました(図3)。

図3. 発現融合タンパク質の可溶性比較

難溶性タンパク質を含む100 種類のタンパク質の中で可溶性タンパク質として回収された割合を示す。high solubility: >100μg/ml, medium solubility: <100μg/ml
 

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Q. 蛍光タンパク質を用いたイメージングとはどのように違うのですか?

A. HaloTag®は自ら蛍光を発する蛍光タンパク質とは異なり、自身では蛍光を発せず、リガンドの受け皿として機能します。従って、リガンドを使い分けることにより、ひとつの融合タンパク質にさまざまな色や機能を付加することができます。パルス・チェイスアッセイなど経時的なアッセイではタイミングに応じてHaloTag®を染め分けることが可能です(図3)。

図4. HaloTag® テクノロジーの利用:パルス・チェイス多重染色の例

刺激Aによって発現したHaloTag®(1)を緑色蛍光リガンドで処理をすると、その時点で発現していたHaloTag®は緑色で検出できる(2)。同じ細胞に、刺激Bを加えて(3)、赤色蛍光リガンドで処理した場合、刺激Aで発現したHaloTag®にはすでに緑色リガンドが結合しているため、刺激Bで新たに発現したものだけが、赤色に染め分けられる(4)。
 

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Q. 長時間のイメージングを予定していますが、HaloTag®を用いた場合、どれくらいの期間アッセイすることが可能ですか?

A. アッセイ可能な時間は、N末端側のタンパク質の半減期、融合タンパク質の発現量、細胞の状態などに依存します。TMRリガンドを用いて24時間連続的にモニターしても、ほとんど褪色無く観察されている報告があります。

(注)長時間アッセイには、photobleachingの影響を考え、TMRリガンドのご使用を推奨いたします。
 

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Q. パラフィン等で固定化後の組織切片に対してリガンドを標識することはできますか?

A. 固定化により、HaloTag®タンパク質が失活するため、リガンドの標識は難しいと思われます。
 

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Q. 組織の標識にもちいることは可能ですか?

A. 固定操作が行われていなければ標識は可能です。その場合、リガンドの添加濃度、インキュベーション時間の検討が必要になります。
 

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Q. 個体を用いたイメージングに用いることは可能ですか?また、事例はありますか?

A. 個体を用いた実験は今のところ行っておりませんが、リガンドの体内への投与方法、投与量、及びその代謝に関する条件などに関して最適化が必要となります。
 

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Q. HaloTag® Technologyを用いた文献はありますか?

A. 以下の文献中でHaloTag® Technologyが使用されています。

6. Reck-Peterson, S. et al. Cell 126, 335-348 (2006)
7. Zhang, Y. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 45, 1-6 (2006)
8. Hirakawa Y, et al. PNAS 105、15208-15213 (2008)
9. Los GV, et al. ACS Chem. Biol. 3, 372-382 (2008) 総説

最新情報は、以下のサイトをご覧ください。日本語の概要等をご希望の方は、テクニカルサービス部までご連絡ください。


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HaloTag®タンパク質

Q. HaloTag®タンパク質はバクテリア由来のHalo-alkane dehalogenaseの遺伝子改変産物とのことですが、その元となるバクテリアの種は何を用いているのですか?

A. HaloTag®タンパク質はロドコッカス属細菌(Rhodococcus rhodochrous)由来のhaloalkane dehalogenaseの遺伝子改変産物です。
 

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Q. HaloTag®タンパク質の分子量は、33 kDaとのことですが、HaloTag®と融合させたタンパク質の活性は保持されているのですか?

A. プロメガでは、以下のタンパク質とHaloTagの融合タンパク質で活性が保持されているのを確認しています。
(活性を確認しているタンパク質:Renilla Luciferase, p65, beta1 integrin, HERG channel (potassium channel), GPI, Kv4 (potassium channel)
なお、プロメガでは融合タンパク質の作成時に、(タンパク質間に)リンカーの挿入を推奨いたします。融合パートナーのサイズが大きい場合などに、立体障害によってHaloTag®タンパク質とリガンドの結合が阻害されることがあります。リンカーを挿入することによって、このような立体障害を回避することができます。
全てのHaloTag® 7ベクターにはあらかじめTEV切断配列を含むリンカー配列が挿入されているので、改めてリンカーを設計・挿入する必要はありません。
HaloTag® 7ベクターのリンカー以外の配列を使う必要がある場合は、下記のポイントに注意して新しくリンカーを設計してください。

  • 一般的なリンカーとして、グリシン(Gly)-セリン(Ser)リピートが使用できます。これらのアミノ酸分子は小さいため、リンカーに入れることが推奨されています。代表的なものとしてSer-Gly4リピートが使用されています(Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser…)。融合パートナーによってはリンカーの最適化が必要です。
  • プロリン、または大きいアミノ酸やチャージしたアミノ酸は、融合タンパク質の構造に悪影響を与え (プロリンはペプチド鎖を曲げる)、またタンパク質の性質を変えるため、リンカー配列には入れないようにします。
  • HaloTag®タンパク質用のリンカーの長さは、15~21アミノ酸を推奨します。融合パートナーによっては、より長いリンカーが必要になることがあります。
  • サイズの小さいタグ(GST、FLAG™、局在シグナル配列)とHaloTag® の融合タンパク質にはリンカーは必要ありません。これらの配列はHaloTag®タンパク質に隣接させて設計することができます。

 

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Q. HaloTag®タンパク質は、翻訳後修飾など活性型への構造的変化はみられますか?(ある場合)その変化にどのくらいの時間を要しますか?

A. HaloTag®タンパク質は単量体として機能し、特に成熟ステップ(活性型への構造的変化など)はないものと考えられています。従って、パルス・チェイス実験で、HaloTag®が発現しているにも関わらず、本来標識されるべきタイミングでリガンドが標識されないといったことはありません。
 

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Q. 哺乳動物細胞内にHaloTag®タンパク質と同様の活性をもつタンパク質はありますか?

A. 現在のところ確認されていません。
 

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Q. HaloTag® タンパク質に結合する因子にはどのようなものがあるのですか?

A. これまでのところ、哺乳動物細胞内では、HaloTagに結合する因子(タンパク質)の存在は確認されていません。
 

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Q. HaloTag®タンパク質の半減期はどれくらいですか?

A. 約24時間です。ちなみに天然型のDehalogenaseでは16時間程度になります。また融合パートナーにも影響を受けます。
 

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Q.  HaloTag®タンパク質に対する抗体はありますか?

A. HaloTag®タンパク質に対するウサギポリクローナル抗体として発売しています。この抗体はHaloTag® 7も検出でき、ウェスタンブロッティングや免疫細胞染色、免疫沈降などのアプリケーションに使用できます。 詳しくはこちら
 

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Q.  HaloTag®を使ってタンパク質の分解過程を定量化できますか?

A.以下の論文で、タンパク質の分解過程(寿命)を解析しています。
Tatematsu K, et al. J. Biol. Chem., 283, 11575-11585(2008)
Wang L, et al. J. Neuroscience, 28, 3384-3391 (2008)

詳しくは、Cell To Gel Assayの項目を参照してください。
 

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HaloTag®リガンド

Q.  HaloTag®リガンドにはどのようなものがありますか?

A. リガンドには、①蛍光標識用リガンド、②ビオチン標識リガンド、③タンパク質精製、プルダウン用リガンド、④未標識リガンドがあります。

① 蛍光標識リガンドには、細胞膜透過性リガンドと、非透過性のリガンドがあります。細胞膜非透過性のリガンドは、細胞表面に発現するHaloTag®タンパク質に結合することが出来ますが、細胞内のHaloTag®タンパク質には結合できません。細胞膜から細胞質への移行を観察する場合に有用です。 

細胞膜透過性のリガンドのうち、Oregon Green® LigandとdiAcFAM Ligandは、細胞内のエステラーゼにより修飾基が加水分解されることにより蛍光を発します。Oregon Green®の方が、褪色が少ないのが特長です。

No Washプロトコール用に開発したDirect Ligandも細胞膜を透過し、赤(TMR)、緑(R110)の蛍光で観察可能です。

② ビオチン標識用(Biotin、PEG-Biotin)リガンドは、HaloTagタンパク質にビオチン標識をする事ができます。PEG-Biotinリガンドは細胞膜透過性がBiotin リガンドに比べて低いため、精製操作は細胞を溶解してライセートにしたサンプルが対象になります。生きた細胞で標識/精製する場合はBiotinリガンドを推奨します。Pull-down Assayなど複合体としてHaloTagを精製する際にはPEGリピートがスペーサーとして機能するため、PEG-Biotin リガンドが効果的です。

HaloTag® Biotin Ligand

HaloTag® PEG-Biotin Ligand

③ タンパク質精製、プルダウン用リガンドとして、HaloLink™ Resin, HaloLink™ Magnetic Beadsを用意しています。これらのリガンドでHaloTagタンパク質をビーズに固定化することが出来、また融合タンパク質とは、TEVプロテアーゼ(ProTEV;カタログ番号V6051)を用いて分離、精製が可能です。

4. 未標識リガンドには、Amine Ligand, Sccinimidyl Ester Ligand, Thiol Ligand, Iodoacetamide Ligandを用意しています。リガンドの長さが異なるO2、O4の二種類のタイプを用意しているものもあります。修飾リガンドを作成し、色々なアプリケーションに活用してください。OligoDNAの修飾なども可能です。 詳細な情報は、下記の英文ホームページを参考にしてください。
http://www.promega.com/catalog/catalogproducts.aspx?categoryname=productleaf_1675&ckt=1

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Q.  自作のリガンドを合成して実験してもよいですか?

A. HaloTagをお使いの場合、ライセンス事項に記載がありますように、プロメガからリガンドを購入して使用してください。もし他の機能分子が付加されたHaloTag Ligandを合成される場合には、各種未修飾リガンドをご使用ください。

ライセンス: http://www.promega.co.jp/license/#HaloTag
 

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Q.  TMRDirect™ およびR110Direct™Ligandとは何ですか?

A. “No-Wash”生細胞標識プロトコール用に開発されたリガンドです。通常の蛍光リガンドと異なり、細胞培養液に加えた後に、リガンドを洗浄せずに観察することができます。培地にDirect™ Ligandを1/1000になるように加えて使用します。
 

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Q.  HaloTag®リガンドは細胞に対して毒性を示しますか?

A. TMR、及び diAcFAMリガンドを24時間HeLa細胞に処理した際にも、細胞の機能的、構造的な変化は観察されておらず、プロメガの細胞増殖アッセイ試薬CellTiter-Glo®での測定値(データ非公開)からも細胞毒性に関して、特に影響はないものと考えられます。
 

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Q.  diAcFAMやOregon Green Ligandは細胞内のエステラーゼによって変換される必要賀あるとのことですが、その変換には、どれくらいの時間がかかりますか?

A. (標準的な培養条件下(37℃)で)およそ半数のdiAcFAMがFAMに変換されるまで15分かかります。

(注) 培養時に用いる血清(FBS)中にはエステラーゼ活性があります。diAcFAMを培地(血清入り)で希釈した場合は速やかにプレートに添加してください。FAMはdiAcFAMに比較し、細胞膜の透過性が減少いたします。
 

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Q.  リガンドの保存条件と保証期間はどれくらいですか?

A. -20℃保存で6ヶ月になります。
 

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Q.  リガンドの膜透過のメカニズムはどのようなものなのですか?

A. 単純拡散と考えられますが、詳しいメカニズムは不明です。
 

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Q.  プロトコールではリガンド標識のためのインキュベーション時間を15分間に設定していますが、短くすることは可能ですか?

A. アッセイに使用する細胞によっても変化しますので、基本的にはプロトコールの記載に従ってください。

(参考)TMRはFAMに比べてHaloTag®タンパク質との結合速度が約10倍速いことがわかっています。プロトコールでの15分はTMR, FAMともに十分に反応できる時間として設定していますので、TMRの場合は短縮することは可能です。FAMの場合はdiAcFAMとして添加しますが、血清成分によりFAMに変換されると細胞内への取り込み速度が著しく低下します。従って、diAcFAMを使用する場合はインキュベーション時間の短縮は推奨いたしません。
 

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Cell To Gel Assay

Q. Cell to Gel Assayとはどのようなことですか?

A. 抗体を用いずに(融合)タンパク質の発現を(蛍光)検出する方法です。蛍光リガンドとHaloTag®は共有結合をしているので、還元剤を含むサンプルバッファー中でも安定です。そのため、蛍光標識されたHaloTag®タンパク質をSDS-PAGE後のゲルを直接蛍光イメージャーで観察することができます。抗体を用いたウエスタンブロットを行わずに発現の検出ができるため、解析時間が短縮されることに加え、新規遺伝子産物など抗体のないタンパク質の解析に有効です。またパルスチェースの実験のように、細胞に発現しているHaloTag®を蛍光リガンドで標識し、一定時間後に細胞からライセートを調製し、SDS-PAGEを行い、バンドの蛍光量を定量することで、タンパク質の分解過程などを観察することができます(文献10,11)

10. Tatematsu, K. et al. J Biol Chem. 283, 11575-11585 (2008)
11. Wang, L. et al. J Neurosci. .28, 3384-3391 (2008)

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Q. Cell To Gel Assayでの検出感度はどの程度ですか?

A. 測定機器に依存しますが、プロメガでは、5-10 pgの発現量から検出しています。
 

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Q. 検出できる蛍光ゲルスキャナーにはどのような装置がありますか?

A. TMRリガンド、R110リガンドを利用する場合、TMR(励起波長555nm/検出波長585nm)、R110(励起波長502nm/検出波長527Em)で測定できる蛍光測定装置をご使用ください。
下記の蛍光ゲルスキャナーなどがご利用いただけるかと思います。必要な蛍光フィルターは、メーカーにご確認下さい。
蛍光ゲルスキャナー(例)
FMBIO (Hitachi)
Typhoon™ 8600など (GE Healthcare)
FLA 8000など (FujiFilm)
 

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Q. どの蛍光リガンドでもCell-to-Gel Assayは可能ですか?

A. diAcFAMとOregon Green® Ligandは、細胞内のエステラーゼによる修飾基の切断が必要になりますので、使用は細胞内で標識する場合に限られます。それ以外のリガンドはHaloTag®タンパク質に速やかに共有結合し、蛍光を発しますので、細胞内だけでなく、細胞溶解液に加えても利用することができます。

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Q. Cell To Gel Assayを行いましたが、バックグラウンドが高くなってしまいます。何か対処法はありますか?

A. 以下の3点に注意してください。
1. 泳動サンプルを多くするとバックグラウンドが高くなりますので、ゲルへのアプライ量を少なくしてください。
2. また、サイズマーカーのなかには蛍光を発するものがあり、シグナルに対して干渉することがあります。ゲルのマーカー部位を切り落としてからイメージングすると改善されることがあります。
3. 機器の性能も関係することがありますので設定等を確認してください。
(注)
1. ゲルはPBSもしくは水で十分に洗浄してください。
2. 酢酸固定でもスキャンは可能ですが、全体のシグナルは多少低下することがあります。
3. ゲルをグリセロール中で保存するのは避けてください。シグナルは95-98%に減少します。
 

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Q. 製品プロトコール(TM260) に記載されているライセートサンプルはどのように調製していますか?

A. 細胞をPBSとプロテアーゼ阻害剤の存在下で懸濁し、シリンジ針による物理的破壊によってライセートを調製しています。
(注)ここでの物理的破砕は、界面活性剤処理による、タンパク質複合体の解離を避けるために実施しています。複合体での精製を目的としない場合には、界面活性剤を用いたライセート調製を行っていただいても問題はございません。
 

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Q. プリガンドの結合によってSDS-PAGEの移動度は変化しますか?

A. リガンドの分子量(TMR: 636, diAcFAM: 666, Biotin: 450)を反映する移動は考えられます。ただし、使用するゲルの濃度によっては、リガンドの分子量の変化をほとんど検出できない場合もあります。
 

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Felxi® HaloTag® Clone

Q. HaloTag®タンパク質が融合しても影響はありませんか?

A. HaloTag®タンパク質が融合することによって近接するシグナル配列や、立体構造が影響を受ける可能性はあります。この場合は、タグの位置をN末からC末へ換えることにより改善されることも考えられます。またHaloTag®7のベクターでは、HaloTag®タンパク質と目的タンパク質の間にリンカー(15-20アミン酸)が挿入されており、融合により立体障害の影響を少なくしています。
 

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Q. C末側にHaloTag®を融合することは出来ますか?

A. Fexi® HaloTag® Clone(pFN21A+ORF)は、目的ンタンパク質のN末側にHaloTag®が融合します。目的タンパク質のC末側にHaloTag®タンパク質を融合させる場合、ORFをSgfI, PmeIで切り出して、pCF14K(カタログ番号G1691)に挿入してください。ORF遺伝子のベクター間の移行は、Flexi®システムを利用していますので、Carboxy Flexi® System, Transfer (カタログ番号R1851)をご利用いただくと、容易にORFを移し変えることができます。詳しくは、Flexi® Vectorに関するQ&Aを参考にしてください。http://www.promega.co.jp/jp/jp_tech/FAQs/Q&A_FlexiVector.html
 

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Q. 発現タンパク質の精製用のレジンはありますか?

A. HaloLink™ Magnetic Beads(G9311)や、HaloLink™ Resin (G1911/G1912)を用いて、HaloTag®融合タンパク質をレジンに結合させることができます。しかし、HaloTag®融合タンパク質は、レジンに共有結合するため、HaloTag®融合タンパク質を再回収することは困難です。 
レジンに固定後、HaloTag®と標的タンパク質をProTEVプロテアーゼ(カタログ番号V6051)で切断することで、標的タンパク質を溶出し、精製することができます。

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Q. HaloTag®を除く(ORFだけを取得する)ことは出来ますか?

A. ORFはpFN21AベクターのSgfIとPmeIで切り出すことができます。切り出したORFは、ご希望のベクターにORFを移し変えることができます。
 

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HaloTag®融合タンパク質精製/プルダウン

Q. HaloLink™ ResinHaloLink™ Magnetic beads、どちらを選べばよいですか?

A. HaloLink™ Resinは哺乳類培養細胞で発現させたタンパク質の精製やプルダウンに適しています。HaloLink™ Magnetic beadsは厳しい洗浄が可能なin vitroプルダウンシステムや、ハイスループットに向いています。大腸菌で発現させたタンパク質の精製にはどちらも適合します。
 

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Q. HaloLink™ Resinに結合したHaloTag®融合タンパク質をResinから分離するにはどうすればよいですか?

A. HaloTag®のリンカー部位にはTEVプロテアーゼ認識配列が含まれているため、TEVプロテアーゼで目的タンパク質とHaloTag®を切り離し、目的タンパク質のみを回収することができます。→こちらもご覧ください。
 

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Q. 目的タンパク質をTEVプロテアーゼでHaloLink™ Resinから切断した後、TEVプロテアーゼを除去することはできますか?

A. TEVプロテアーゼのN末端にはHQタグが付加されているため、HisLink™ Resinを用いて除去することができます。→こちらもご覧ください。
 

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Q. HaloTag® Mammalian Pull-Down Systemに関して、作業時間はどれくらいかかりますか?途中で作業を中断できますか?

A. 凍結細胞を用いた場合、約1.5~2時間程度でタンパク質を抽出することができます。集めた細胞は凍結した状態で6カ月保存可能、抽出したタンパク質サンプルも凍結保存が可能ですが、作業を中断することはお勧めしません。作業は連続して行ってください。
 

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Q. HaloTag® Mammalian Pull-Down Systemで核酸を結合したタンパク質を単離することはできますか?

A. リボソームなどの核酸を多く含む複合体であれば可能です。下記の参考資料では、精製したリボソームから核酸を検出しています。 http://www.promega.co.jp/halotag/Proteomics2011_poster.pdf また、タンパク質とDNAの相互作用を解析するためにデザインされた HaloCHIP™ Systemは、転写因子のDNA結合実験などにさらに適しています。
 

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