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プロメガ製品 Q & A 【 細胞内シグナリング 】

 MAPKシグナリング

Anti-ACTIVE®MAPK, JNK, and p38 pAb

細胞内キナーゼであるmitogen-activated protein kinase(MAPK)スーパーファミリーは多くの細胞内信号伝達系、調節経路に関与しています。このキナーゼ群は多くの細胞外刺激に応答し、スレオニン残基とチロシン残基の二重リン酸化を介して活性化されます。

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Q. MAPK情報伝達系に関してどのような抗体をプロメガでは取り扱っていますか?

Q. “Anti-ACTIVE®“抗体とは、正確にはどのような製品ですか?

Q.Anti-ACTIVE®抗体はどのように精製されるのですか?

Q. Anti-ACTIVE®抗体はどのような目的に使えますか?

Q.Anti-ACTIVE®抗体に対してどのような二次抗体を使うべきですか?

Q.MEK Inhibitor U0126とはどのようなものですか?またPD98059とのとの違いは?

Q.プロメガにはMAPK信号伝達系の阻害剤として、他にどのようなものがありますか?

 

Q. MAPK情報伝達系に関してどのような抗体をプロメガでは取り扱っていますか?

プロメガではmitogen-activated protein kinase(MAPK)細胞信号伝達系研究のために、多くのAnti-ACTIVE®抗体を取り揃えています。Anti-ACTIVE®抗体であるMAPK(カタログ番号V8031)JNK(カタログ番号V7931)、p38(カタログ番号V1211)はいずれも二重リン酸化した活性型のMAPK(ERK1および2)p38(アイソフォームαδおよびγ)をそれぞれ特異的に認識するよう設計されています。またプロメガではリン酸化型、非リン酸化型両方のERK1および2を認識するマルチな抗体として、Anti-ERK1/2 pAb, Rabbit(カタログ番号V1141)も取り揃えています。

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Q. “Anti-ACTIVE®抗体とは、正確にはどのような製品ですか?

プロメガのAnti-ACTIVE®抗体は、各々活性型の酵素を特異的に認識するよう設計されています。一般的に酵素は翻訳後修飾によって活性化しますが、その多くはリン酸化によるものです。MAPKシグナル経路に登場するMAPKおよびp38といったキナーゼ群は、いずれも触媒中心のリン酸化ループと呼ばれる部位に、Thr-X-Tyrという保存された(コンセンサス)配列を持ちます(1)。これらのキナーゼは、保存配列中のチロシンとスレオニンの両残基がリン酸化されたときのみ活性化します。プロメガのAnti-ACTIVE®抗体シリーズのMAPKおよびp38はリン酸化したコア配列のペプチドに対する抗体として作製され、二重リン酸化した活性型を特異的に認識する抗体です。同ファミリー内において、あるいは単一リン酸化型、非リン酸化型との交差反応はほとんど見られません。(PN76-Q&A)

1. プロメガのAnti-ACTIVE®抗体ファミリーによって認識されるアミノ酸のコア配列

Anti-ACTIVE®抗体

触媒中心

MAPK

pThr183-Glu184-pTyr185

p38

pThr180-Gly181-pTyr182

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Q. Anti-ACTIVE®抗体はどのように精製されるのですか?

Anti-ACTIVE®抗体は二つのステップで精製されます。最初にウサギ抗血清を非リン酸化型ペプチドが結合したカラムに通し、このペプチドに対する抗体を除きます。次にキナーゼの活性型に相当する、リン酸化抗原ペプチドを結合したカラムを用いてアフィニティークロマトグラフィーを行います。以上の過程により、二重リン酸化酵素に対する高度に特異的なポリクローナル抗体が精製されます。(PN76-Q&A)

 

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Q. Anti-ACTIVE®抗体はどのような目的に使えますか?

プロメガのAnti-ACTIVE®抗体は、未精製の細胞抽出液を用いたウエスタン解析によってテストされています。従って放射性同位元素による標識を用いずとも、簡単に活性型キナーゼを検出できます。さらにMAPKファミリーのAnti-ACTIVE®抗体は、免疫染色についても確かめられています。活性型のERK(MAPK)JNKp38を発現しているPC12(rat pheochromocytoma)細胞を用いて、それぞれの抗体は各ロットごとにテストされています。そのため、Anti-ACTIVE® 抗体を使用したアッセイは、electrophoretic mobility shift assays(ゲルシフトアッセイ)in-gel kinase assays(ゲル中キナーゼアッセイ)immunoprecipitation-based kinase assays(免疫沈降ベースのキナーゼアッセイ)、抗リン酸化チロシン抗体を用いたウェスタンブロッティングなどの様々な手法の代わりに用いることができます。MAPKファミリーのAnti-ACTIVE®抗体はウェスタン解析と免疫細胞染色の詳しいプロトコル(1)が添付されています。(PN76-Q&A)

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Q. Anti-ACTIVE®抗体に対してどのような二次抗体を使うべきですか?

プロメガのAnti-ACTIVE® 抗体はウサギの血清から精製されるポリクローナル抗体なので、抗ウサギIgG二次抗体を検出に使用する必要があります。二次抗体に由来するバックグランドシグナルがどれだけあるかを確かめるために、二次抗体のみを用いた(一次抗体を使わない)コントロール実験を推奨します。プロメガではAnti-ACTIVE® 抗体の二次抗体として、horseradish peroxidaseを結合した、Donkey Anti-Rabbit IgG secondary antibody(カタログ番号 V7951)を提供しています。これらの二次抗体はAnti-ACTIVE®抗体用に最適化されています。一次抗体にAnti-ACTIVE®抗体を用いた、未精製細胞抽出液のウエスタン解析において、化学発光及び発色による検出の両方で低いバックグランドと、特異性の高いシグナルが確認されています。これらの二次抗体は、他の生物種のイムノグロブリンGに対する交差反応がほとんど見られません。

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Q. MEK Inhibitor U0126とはどのようなものですか?またPD98059とのとの違いは?

MAPキナーゼキナーゼ1及び2(MEK1/2)ERK1/2をリン酸化して活性化させる酵素です。MEK Inhibitor U0126(カタログ番号V1121)は新規のMEK1/2の選択的阻害剤です。PD098059と同じく、U0126はMAPKの活性化を阻害します。U0126は有機化合物の一種(1,4-diamino-2,3-dicyano-1,4-bis[2-aminophenylthio]butadiene;MW= 426.5)で、MEKに非競合的に結合して触媒活性を阻害することにより、ERKのリン酸化による活性化を妨げます。しかもMEK1およびMEK2を同等に阻害します(in vitroでMEK1に対するIC50=72nM、MEK2に対するIC50=58nM)(1-3)。一方、MEK inhibitor PD98059は、RafによるMEK1の活性化を妨げる阻害剤です(PD98059MEK2の阻害効果はほとんどありません:in vitroでMEK1に対するIC50=4μM、MEK2に対するIC50=50μM)PD98059 は不活性型のMEK1に結合し、Rafによるリン酸化を妨げます。しかし、すでに活性化しているMEK1にはほとんど作用しません。つまり、U0126MEK1/2の活性状態によらず、ERK1/2の活性化の下流にある酵素の活性化を阻害します。さらに、U0126PD98059よりもin vitroおよびin vivoの両方で高い阻害効果を示します。細胞内でU0126IC500.07μMで安定に活性型MEK2を阻害します。一方、PD98059IC50値は5.00μMよりも大きくなります。IC50値はキナーゼの種類や細胞種によってそれぞれ異なります。(PN76-Q&A)(eNotes-FAQ0005)

参考文献:

  1. Dudley, D.T. et al. (1995) A synthetic inhibitor of the mitogen-activated protein kinase cascade. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92, 7686.
  2. Alessi, D.R. et al. (1995) PD 098059 is a specific inhibitor of the activation of mitogen-activated protein kinase kinase in vitro and in vivo. J. Biol. Chem. 270, 27489.
  3. Favata, M.F. et al. (1998) Identification of a novel inhibitor of mitogen-activated protein kinase kinase. J. Biol. Chem. 273, 18623.

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Q. プロメガにはMAPK信号伝達系の阻害剤として、他にどのようなものがありますか?

U0126PD98059に加え、プロメガではp38のアイソフォームであるp38αp38β、p38β-2に特異的な細胞浸透性の阻害剤、SB203580を提供しています。SB203580ATPp38への結合に対して競合的に働きます。p38に対するIC50値は21nMから1μMであると報告されています。SB203580は、ERKJNK、またp38γp38δに対してほとんど影響しません。これらの化合物に関する詳細はプロメガオンラインカタログ(www.promega.com/jp/cat_search.htm)をご覧下さい。(PN76-Q&A)

ウエスタン解析や免疫染色に関する、より詳細な情報をお求めの場合は下記までご連絡下さい。

プロメガ株式会社 テクニカルサービス部
電話
:03-3669-7980 FAX:03-3669-7982
e-mail:prometec@jp.promega.com

参考文献

1. Anti-ACTIVE MAPK, JNK and p38 Polyclonal Antibodies and Anti-ACTIVE® Qualified Secondary Antibody Conjugates Technical Bulletin #TB262, Promega Corporation.

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