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プロメガ製品 Q & A 【 キャップアナログ 】


Ribo m7G Cap Analog

ほとんどの真核生物のRNAは5’末端にm7G(5’)ppp(5’)G cap構造を持っています。このcap構造は、eIF4Eのような翻訳開始因子の結合、RNAのプロセッシングや移行、細胞内ヌクレアーゼからの保護において重要な役割を担っています。キャップを付加されたRNAはライセートやXenopusの卵母細胞を使ったinv itro翻訳、核抽出物を使ったin vitroスプライシングやプロセッシングに利用できます(1,2)。本稿ではin vitro転写翻訳に利用できる新製品Ribo7G Cap Analogの役割について紹介します。

  1. Riboprobe® in vitro Transcription Systems Technical Manual #TM016, Promega Corporation.
  2. RiboMAX™ Large Scale RNA Production Systems - SP6, T3, T7 Technical Bulletin #TB166, Promega Corporation
 

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Q. プロメガのRibo m7G Cap Analogとはどのような製品ですか?
Q. Riboprobe® Systemを使った場合、m7G(5’)ppp(5’)G capはどのように取り込まれますか?
Q. RiboMAX™ Systemを使った場合、m7G(5’)ppp(5’)Gはどのように取り込まれますか?
Q. in vitro転写反応でのRibo m7G Cap Analogの取り込み効率はどのくらいですか?
Q. 標準反応にRibo m7G Cap Analogを加えることで収量は減少しますか?
Q. ライセートを使ったin vitro翻訳を行う場合、cap付加された転写産物はcap付加されていない転写産物よりも効率的に翻訳されますか?
Q. Flexi® Rabbit Reticulocyte Lysate Systemは、cap付加された転写産物やされていない転写産物を用いた最適化に使えますか。
Q. in vitro転写/翻訳反応(例えば、TNT® System反応)cap analogを直接加えることができますか。

  

 

 キャップアナログ

 Ribo m7G Cap Analog

Q. プロメガのRibo m7G Cap Analogとはどのような製品ですか?

Ribo m7G Cap Analog(カタログ番号 P1711およびP1712)は、5’ 7-methyl guanosine nucleotide(m7G(5’)ppp(5’)G)です。これは生体内で行われているmRNAcap構造が形成されるようにin vitro合成されたRNAに組み込まれます。このcap analogはプロメガのRiboprobe® SystemRiboMAX™ Systemでお使いいただけます(1,2)。(PN74-Q&A)

  1. Riboprobe® in vitro Transcription Systems Technical Manual #TM016, Promega Corporation.

  2. RiboMAX™Large Scale RNA Production Systems - SP6, T3, T7 Technical Bulletin #TB166, Promega Corporation

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Q. Riboprobe® Systemを使った場合、m7G(5’)ppp(5’)G capはどのように取り込まれますか?

Ribo m7G Cap Analogcap analog:rGTP=10:1(0.5mM cap analog:0.05mM rGTP)の比率でin vitro転写反応に直接加えることができます。標準的なin vitro転写反応ではrGTPの濃度は0.5mMですが、cap analogを加える場合にはGTP濃度を0.05mMまで減らすことをプロメガでは推奨しています(1)。(PN74-QA)

  1. Riboprobe® in vitro Transcription Systems Technical Manual #TM016, Promega Corporation.

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Q. ™Systemを使った場合、m7G(5’)ppp(5’)Gはどのように取り込まれますか?

Ribo m7G Cap Analogcap analog:rGTP=5:1(3mM cap analog:0.6mM rGTP)の比率でin vitro転写反応に直接加えることができます。標準的なin vitro転写反応ではrGTPの濃度は5mM(SP6)または7.5mM(T7およびT3)ですが、cap analogを加える場合にはGTP濃度を0.6mMまで減らすことプロメガでは推奨します(1)。(PN74-Q&A)

  1. RiboMAX Large Scale RNA Production Systems - SP6, T3, T7 Technical Bulletin #TB166, Promega Corporation

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Q. in vitro転写反応でのRibo m7G Cap Analogの取り込み効率はどのくらいですか?

Riboprobe® SystemRiboMAX Systemを使い、標準的な反応を行った場合、Ribo m7G Cap Analog6070%の転写産物に最初の5’-ヌクレオチドとして取り込まれます。(PN74-Q&A)

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Q. 標準反応にRibo m7G Cap Analogを加えることで収量は減少しますか?

cap analogの取り込みによってRNAの収量は標準反応に対して2050%減少します。14kb以上を目的としたin vitro転写反応では、低い比率で転写されたり、予想よりも小さなサイズの転写産物が得られます。これはrGTPが不足しているためと考えられます。このためプロメガではrGTPの濃度を上げるように推奨しています。転写反応の効率とcap付加された転写産物の生成量の釣り合いをとるために、cap analog:rGTPの比率を10:1から1:1の範囲で変動させることができます。伸長を促進するために反応温度を30℃まで下げることができますが、この処置は転写産物の生成量には無関係です。

予想よりも転写産物が短い場合、転写開始が制限されています(律速段階である可能性があります)。このような時には、インキュベーション時間を延長する、RNA polymeraseの量を増やす、鋳型の濃度を上げるなどの対処を行ってください。(PN74-Q&A)

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Q. ライセートを使ったin vitro翻訳を行う場合、cap付加された転写産物はcap付加されていない転写産物よりも効率的に翻訳されますか?

Rabbit Reticulocyte Lysate(RRL)Wheat Germ Extract(WGE)で翻訳反応を行う場合、効率的な翻訳のためにほとんどの転写産物でcap構造を必要としません(1,2,3)cap付加されていないRNAでも翻訳反応に加える量を増やすことでタンパク質合成量はcap付加されたRNAと同等になります(4)

RRLでは最大刺激レベルより20mM上の濃度のKClにおいて、キャップ付加されていないRNAからのタンパク質合成に最適な条件を示します(5)

RRLでの翻訳はmRNAcap構造の存在に比較的影響されません。しかし、一般的に知られているRNA結合タンパク質(hnRNP A1, La, hnRNP 1/PTB, p50)を加えることにより、RRLにおける翻訳にcap構造が必要となることをSvitkinらの研究グループは発見しました。これらのタンパク質はcap付加されていないmRNAの翻訳を著しく阻害します。一方、cap付加されたRNAの翻訳には影響しません(6)。著者らは細胞質に存在するこれらRNA結合タンパク質の機能の一つとして、5’末端のcap構造を介した機構によりリボソームの結合を促し、誤った翻訳開始点からの開始を妨げているのではないかと考えています。

RRLWGの翻訳キットでは、cap付加された転写産物の翻訳効率が上がることもあります(2,3,7)。例えば、dihydrofolate reductasemRNAの翻訳をRRLで行った場合、cap付加されたRNAcap付加されていないRNA48倍のタンパク質を発現することをRestoらは観察しました(8)。(PN74-Q&A)

  1. Dasso, M.C. and Jackson, J. J. (1989) Nucl. Acids Res. 17, 3129.

  2. Rabbit Reticulocyte Lysate Systems Technical Manual #TM232, Promega Corporation.

  3. Wheat Germ Extract Technical Manual #TM230, Promega Corporation.

  4. Gurevich, V.V. et. al. (1991) Anal. Biochem, 195, 207.

  5. Kozak, M. (1990) Nucl. Acids Res. 18, 2828.

  6. Svitkin, Y.V. et al. (1996) EMBO J. 15, 7147.

  7. RiboMAX™ Large Scale RNA Production Systems - SP6, T3, T7 Technical Bulletin #TB166, Promega Corporation

  8. Resto, E. et al. (1992) Nucl. Acids Res. 20, 5979

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Q. Flexi® Rabbit Reticulocyte Lysate Systemは、cap付加された転写産物やされていない転写産物を用いた最適化に使えますか。

使えます。Flexi® Rabbit Reticulocyte Lysate Systemのライセートには塩やDTTが加えられていません。また、capされていない転写産物やされている転写産物の翻訳を最適化するためにKCl、MgCl2DTTが添付されています(1)KClの添加によりcap付加されたmRNAからの開始の忠実度が改良されます(2)Flexi® Rabbit Reticulocyte Lysate Systemcap付加された転写産物を加える時に推奨されるKCl濃度は70100mMです(最終反応液量50μlあたり2.5M KCl1.42μl)(1)。(PN74-Q&A)

  1. Flexi® Rabbit Reticulocyte Lysate Systems Technical Manual #TB127, Promega Corporation.

  2. Kozak, M. (1990) Nucl. Acids Res. 18, 2828.

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Q. in vitro転写/翻訳反応(例えば、TNT® System反応)cap analogを直接加えることができますか。

翻訳が著しく阻害されるため、cap analogTNT® Systemを使った反応に直接加えることはできません。また、翻訳反応の前に遊離のcap analogを除かなければ、これらは翻訳反応を阻害します。(PN74-Q&A)

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