HOME > テクニカルサービス > Q & A もくじ > 細胞内シグナリング

プロメガ製品 Q & A 【 細胞内シグナリング 】

| CellTiter® 96 AQueous One Solution |

[ メニュー ]

CellTiter® 96 AQueous One Solution

Q. CellTiter 96® AQueous One Solution (以下、CellTiter® 96 AQ One)はどのような製品ですか。また、そのような原理で機能しているのですか?

Q. 他のCellTiter® 96シリーズのキットの違いはどのような点ですか?

Q. MTS法とMTT法は原理的にどのように異なりますか?

Q. CellTiter® 96 AQ Oneの保存条件と保存期間はどれぐらいですか?

Q. CellTiter® 96 AQ Oneは[3H]チミジン取り込み試験に置き換わるものとして利用できますか?

Q. CellTiter® 96 AQ Oneのホルマザン産物の吸光値のピークを教えてください。また、そのピークの波長以外でも測定できますか?

Q. リファレンス波長とは何ですか?

Q. 哺乳類以外の細胞でも使えますか?

Q. どれぐらいの細胞数から測定することができますか?

Q. 最適な結果を得るために検討するべき項目を挙げてください。

[ 解 答 ]

CellTiter® 96 AQueous One Solution

Q. CellTiter 96® AQueous One Solution (以下、CellTiter® 96 AQ One)はどのような製品ですか。また、そのような原理で機能しているのですか?

A. CellTiter® 96 AQ Oneは、生細胞が電子キャリアーPES(phenazine ethosulfate)を介して、テトラゾリウム塩(MTS; [3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)-2H-tetrazolium, inner salt])を発色物質であるホルマザン産物へ変換する還元反応に基づいています(図1)。本製品は、この還元反応を利用して、生細胞数を測定する比色定量試薬です。主に細胞増殖試験や細胞毒性試験において使用され、ほとんどの実験系で、吸光値は生細胞数に相関します。

図1. テトラゾリウム塩とホルマザン産物の構造

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. 他のCellTiter® 96シリーズのキットの違いはどのような点ですか?

A. 表1をご覧ください。プロメガでは、色素溶解不要かつ1液タイプのCellTiter® 96 AQueous One Solutionをお薦めします。

表1. CellTiter® 96シリーズの比較

製品名 CellTiter® 96
AQueous One Solution Assay
CellTiter® 96
AQueous Assay
CellTiter® 96 Assay
カタログ番号 G3580 G5421 G4000
Non-RI
検出方式 発色
(490nm)
発色
(490nm)
発色
(570nm)
検出感度
(800個の細胞~)

(800個の細胞~)

(800個の細胞~)
操作時間 1~4時間 1~4時間 4~5時間
ステップ数 1ステップ(1液タイプ) 1ステップ(2液タイプ)※1 2ステップ
色素溶解操作 不要 不要 必要
シグナルの安定性 18時間まで※2 18時間まで※2 7日以内
原理 MTS法
(電子キャリアー:PES)
MTS法
(電子キャリアー:PMS)
MTT法
使いやすさ
※1 使用直前の調製が必要
※2 停止液を添加した場合

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. MTS法とMTT法は原理的にどのように異なりますか?

A.  MTT試薬とMTS試薬のメカニズムについても、細胞内での挙動が若干異なります。
MTS試薬は直接、細胞内には入らず、電子キャリアー(PESまたはPMS)が細胞内へ入り込み、還元されることにより、細胞外へ出て、培地内にあるMTS試薬をホルマザンに還元します。
一方、MTT試薬は直接細胞内に入り、還元される性質を示します。ホルマザンの大部分は細胞内にとどまりますが、一部は細胞表面に出てきます。またごく少量ですが培地中にも放出されます。Solubilization/Stop Solutionを添加すると、細胞内外すべてのホルマザンが可溶化されます。
感度の面では、MTS法が優れています(図2参照)。

図2. CellTiter 96® AQ One (MTS法)と
CellTiter 96® Non-Radioactive Cell proliferation Assay (MTT法)
の 比較

さまざまな細胞数のperipheral blood mononuclear cells (PBMC)に対して、CellTiter 96® AQ One (MTS法)またはCellTiter 96® Non-Radioactive Cell proliferation Assay (MTT法)を加え、4時間インキュベーション後にそれぞれの吸光値を測定した。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. CellTiter® 96 AQ Oneの保存条件と保存期間はどれぐらいですか?

A. 表2をご参照ください。

表2. 保存条件と保存期間

未開封時、購入後の保証期間 保存温度と保存期間 凍結融解と試薬の活性
-20℃, 6ヶ月※ -20℃, 6ヶ月※
4℃, 6週間まで
10回まで : 活性はほぼ維持

※実際の製品の有効期限については、製品ラベルに記載しています。購入後、おおよそ12~18ヶ月間の有効期限を示します。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. CellTiter® 96 AQ Oneは[3H]チミジン取り込み試験に置き換わるものとして利用できますか?

A.  可能です。これらアッセイ方法の相関性については図3をご覧ください。

図3. CellTiter® 96 AQ Oneと[3H]チミジン取り込み試験の比較

さまざまな濃度のIL-2を含むウエルに5,000個のCTLL-2 cellsを加え、20時間の培養を行った。各ウエルに0.2µCiの[3H]チミジンもしくは20µlのCellTiter 96 AQ Oneを加えて、さらに4時間の培養を行った。CellTiter® 96 AQ Oneでは、490nmで得られる吸光値を縦軸に表した。また、[3H]チミジン取り込み試験では、シンチレーションカクテルの添加により得られたカウント数を縦軸に表した。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. CellTiter® 96 AQ Oneのホルマザン産物の吸光値のピークを教えてください。また、そのピークの波長以外でも測定できますか?

A.  ホルマザン産物の吸光スペクトルを図4に示します。吸光値のピークは490nmです。効率は低下しますが、450~540nmでも測定できます。

図4. ホルマザン産物の吸光スペクトル

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. リファレンス波長とは何ですか?

A. 細胞残渣、指紋、その他の非特異的な吸光によりに起因するバックグラウンドを測定するために利用する630~750nmの波長を、リファレンス波長と呼びます。リファレンス波長で得られた吸光値は、サンプル測定で得られた吸光値より引くことに用いられます。
一般的に、優れた精度を得るためには650nm以上のリファレンス波長を使用します。お手持ちのプレートリーダーが2波長を設定できない場合、リファレンス波長を使用しなくても同種のサンプル間におけるデータの正確さに大きな影響はありません。
例として、阻害率の計算方法を示します。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. 哺乳類以外の細胞でも使えますか?

A.  使用可能です。CellTiter® 96 AQ Oneでは以下のように、哺乳類以外の細胞でも使用例が報告されています。

●シアノバクテリア
Pomati, F., Rossetti, C., Calamari, D. and Neilan, B.A. “Effects of saxitoxin (STX) and veratridine on bacterial Na+ -K+ fluxes: a prokaryote-based STX bioassay.”, Appl Environ Microbiol. 2003 Dec;69(12):7371-6.
●乳酸連鎖球菌
Jeng, A., Sakota, V., Li, Z., Datta, V., Beall, B. and Nizet, V., “Molecular genetic analysis of a group A Streptococcus operon encoding serum opacity factor and a novel fibronectin-binding protein, SfbX.”, J. Bacteriol. 2003 Feb;185(4):1208-17.
●大腸菌/枯草菌
Leverone, M.R., Owen, T.C., Tieder, F.S., Stewart, G.J. and Lim, D.V., “Resting-cell dehydrogenase assay measuring a novel water-soluble formazan detects catabolic differences among cells.”, J. Microbiological Methods, 1996 March, 25(1), 49-55
●真菌胞子 (Glomus intraradices fungal spore)
Tamasloukht, M., Sejalon-Delmas, N., Kluever, A., Jauneau, A., Roux, C., Becard, G. and Franken, P., “Root factors induce mitochondrial-related gene expression and fungal respiration during the developmental switch from asymbiosis to presymbiosis in the arbuscular mycorrhizal fungus Gigaspora rosea.”, Plant Physiol. 2003 Mar; 131(3):1468-78.
●菌類
Mikami, Y., Sakamoto, T. Yazawa, K., Gonoi, T., Ueno, Y., and Hasegawa, S., “Comparison of in vitro antifungal activity of itraconazole and hydroxy-itraconazole by MTT colorimetric assay.”, Mycoses, 1994, 37: 27-33.

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. どれぐらいの細胞数から測定することができますか?

A.  腫瘍細胞、ハイブリドーマ、繊維芽細胞を用いた増殖試験では、1ウェルあたり5,000個の細胞から始めることを推奨します。しかし、通常では1,000個以下の細胞でも検出できます。
しかし、白血球では、十分な読み値を得るには一般的に1ウェルあたり25,000-250,000個の細胞が必要になります。
細胞種により最適な細胞数が異なりますので、ご利用の細胞における最適な細胞数を必ずご確認ください。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム

Q. 最適な結果を得るために検討するべき項目を挙げてください。

A. 

1) 細胞数
測定する細胞種に応じて細胞数を最適化する必要があります。最適な細胞数は目的の細胞を1,000個~106個の範囲でウエルに添加し、CellTiter® 96 AQ Oneにより得られた吸光値により決定します。バックグラウンド(細胞を含まない培地のみの吸光度)に対して少なくとも2倍の吸光度が得られる細胞数を最低限度とし、これ以上の細胞数でアッセイすることを推奨します。
2) インキュベーション時間
CellTiter® 96 AQ One では、CO2インキュベーターで1~4時間のインキュベーションを推奨します。4時間以上インキュベーションを行うと、細胞の死滅、培地の酸化、MTS試薬の劣化などにより吸光値が低下することがあるため推奨いたしません。
3) 培地
培地のpH、酸化剤および還元剤の存在、血清の濃度およびタイプ、フェノールレッドなどがバックグラウンドとなる吸光値のレベルを上昇させます。一般的には4時間のインキュベーションにより、0.2~0.4の吸光値を示します。培地のみを含むウエルから得られる吸光度をバックグラウンドとして、実験値として得られた吸光値から引いて、補正を行います。
4) 添加物
細胞に刺激を与えるために加えられた添加物に490nm付近の吸収がある場合、CellTiter® 96 AQ Oneを添加する前に、培地を交換してください。または、570nmの吸光値を測定するMTT法のCellTiter® 96 Non-RI Proliferation Assay (カタログ番号 G4000)をご検討ください。

 

メニューQ&Aもくじ日本語ホーム