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プロメガ製品 Q & A 【 タンパク質精製: GST融合タンパク質 】

MagneGST™ Protein Purification System / MagneGST™ Pull-Down System

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MagneGST™ Protein Purification System / MagneGST™ Pull-Down System

Q. MagneGST™とはどのような製品ですか? また、どのようなサンプルから精製に利用することができますか?

Q. MagneGST™ Protein Purification Systemの保存条件を教えてください

Q. MagneGST™ Glutathione Particlesの粒子径はどれくらいですか?また、どのような溶液に懸濁させた状態ですか?

Q. MagneGST™ Glutathione ParticlesのGST-Tagタンパク質の結合容量はどれくらいですか? また、どれくらいの分子サイズのGST-Tagタンパク質を精製することができますか?

Q. MagneGST™ Glutathione Particlesの再使用はできますか?

Q. GST-Tagタンパク質の精製には、MagneGST™ 以外に用意する製品はありますか?

Q. MagneGST™ を用いてにGST-Tagタンパク質を精製しましたが、回収できませんでした。どのような原因が考えられますか?

Q. MagneGST™のキット付属品の単品販売はありますか?

Q. GST-Tag融合タンパク質を発現させるベクターは販売していますか?

Q. 抗GST-Tag抗体の販売はありますか?

Q. どのようなBufferが溶出Bufferとして使用できますか?

Q. 他の溶媒を使用した際のマグネット粒子の耐性はどれくらいですか?

Q. MagneGST™ Pull-Down Systemを用いてprey タンパク質を捕捉したときに、高いバックグランドが認められました。このバックグランドを除く方法を教えてください。

[ 解 答 ]

MagneGST™ Protein Purification System / MagneGST™ Pull-Down System

Q. MagneGST™とはどのような製品ですか? また、どのようなサンプルから精製に利用することができますか?

A. MagneGST™ Protein Purification System(以下MagneGST™)は、大腸菌あるいはin vitro翻訳反応後で発現させたグルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GST) 融合タンパク質(以下、GST-Tagタンパク質)を簡単、迅速、安定に精製するためのシステムです。MagneGST™ の精製プロトコルの概要を図1に示します。

磁性体粒子であるMagneGST™ Glutathione Particlesは、GST-Tagタンパク質と相互作用します(1)。続いて、マグネットスタンドを用いて、GST-Tagタンパク質がMagneGST™ Glutathione Particlesに結合した状態で洗浄操作を行い(2)、Elution Buffer (10mM Glutathioneとなるように調製する)でGST-Tagタンパク質を溶出させます(3)。

図1 MagneGST™ Protein Purification SystemによるGST-Tagタンパク質結合の原理と
精製プロトコルの概要

MagneGST™を用いたGST-Tagタンパク質の精製には、大腸菌培養液から効率的なライセートサンプルの調製が必要になります。プロメガでは、OD600nmの吸光値と大腸菌培養液1mL~50mLまでのスケールに合わせて適切なMagneGST™ Cell Lysis ReagentとMagneGST™ Glutathione Particlesを添加することを勧めます(表1)。

表1 大腸菌培養液量に対して推奨するMagneGST™ Cell Lysis Regaentと添加量

大腸菌培養液量 MagneGST™ Cell Lysis
Reagent添加量
MagneGST™ Glutathione
Particles添加量
OD600=2.0 OD600=6.0
1 mL 200 µL 600 µL 100 µL
5 mL 1 mL 3 mL 500 µL
10 mL 2 mL 6 mL 1 mL
50 mL 10 mL 30 mL 5 mL

 

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Q. MagneGST™ Protein Purification Systemの保存条件を教えてください

A. システムの構成品は、-20℃と4℃保存に分かれます(表2)。MagneGST™ Glutathione Particlesは、凍結させないでください。磁性体粒子の表面構造が変化し、結合力が低下します。

表2  MagneGST™ Protein Purification Systemの保存条件

システム構成品 保存条件
0.5M Glutathione -20℃で3ヶ月間、それよりも長期保存の場合は、-70℃で保存してください。凍結融解の繰り返しは5回までとなります。5回以上の凍結融解の繰り返しは避けてください。
RQ1 RNase-Free DNase -20℃で保存してください。
MagneGST™ Cell Lysis Reagent -20℃で保存してください。
MagneGST™ Binding/Wash Buffer -20℃で保存してください。
Tris Buffer, 0.5M, pH8.1 4℃で保存してください。
MagneGST™ Glutathione Particles 4℃で保存してください。凍結させないでください。


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Q. MagneGST™ Glutathione Particlesの粒子径はどれくらいですか?また、どのような溶液に懸濁させた状態ですか?

A. MagneGST™ Glutathione Particlesには、磁性体粒子に12原子分のリンカー配列を介して、還元Glutathione (GSH)を共有結合させています。粒子径は、およそ1~10µmです。20%エタノール水溶液内に懸濁させた状態になっています。このときのMagneGST™ Glutathione Particlesの含有量は25%です。

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Q. MagneGST™ Glutathione ParticlesのGST-Tagタンパク質の結合容量はどれくらいですか? また、どれくらいの分子サイズのGST-Tagタンパク質を精製することができますか?

A. MagneGST™ Glutathione ParticlesのGST-Tagタンパク質の分子サイズに依存して結合容量も変化します。プロメガで試験をした結果から、推定タンパク質結合容量は、5~10mg/mL(MagneGST™ Glutathione Particles 懸濁液)と考えられます。

なお、26kDa~87kDa(26kDaのGST-Tagを含む)の分子サイズのGST-Tagタンパク質を精製できます。これより大きな分子サイズも可能ですが、回収量が少なくなります。


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Q. MagneGST™ Glutathione Particlesの再使用はできますか?

A. プロメガでは、GST-Tagタンパク質の回収率の再現性を考慮し、MagneGST™ Glutathione Particlesの再使用は推奨していません。

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Q. GST-Tagタンパク質の精製には、MagneGST™ 以外に用意する製品はありますか?

A. マグネットスタンドが必要になります。15mLもしくは50mL用のスタンドとしてPolyATtractR System 1000 Magnetic Separation Stand (カタログ番号 Z5410)、または 0.5 mL用(カタログ番号 Z5331)、1.5 mL用(カタログ番号 Z5332)などがあります。

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Q.  MagneGST™ を用いてにGST-Tagタンパク質を精製しましたが、回収できませんでした。どのような原因が考えられますか?

A. 以下の点に注意してください。

1. GST-Tag タンパク質の結合が最適化されていない。
  • 結合時のBufferの溶液はpH8.0を超えないようにしてください。これより、アルカリ側にあると、GST-Tagタンパク質が結合しません
  • 低い温度(4℃)で結合反応を行った場合、タンパク質結合容量が低下します。
  • MagneGST™ Glutathione Particlesとの相互作用のときに、MagneGST™ Binding/Wash Bufferの添加量が多すぎる。
  • 細胞溶解の前に、終濃度が5mMとなるようにDTTをサンプルに添加してください。還元剤は、GST-Tagタンパク質の結合力を大きくします。
2. MagneGST™ Glutathione Particlesの過剰な洗浄
  • MagneGST™ Glutathione Particlesに結合させている時間をできるだけ短くし、洗浄ステップ時のタンパク質の溶出を防いでください。
3. 発現タンパク質が不安定
  • 細胞溶解時にProtease Inhibitorを添加してください。
  • タンパク質発現誘導の条件を変えてください。

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Q. MagneGST™のキット付属品の単品販売はありますか?

A. MagneGST™ Glutathione ParticlesとFastBrak™ Cell Lysis Reagent, 10X を販売しています。各製品のカタログ番号、サイズ、定価は表3のとおりです。

表3 MagneGST™のキット付属品

製品名 カタログ番号 サイズ
MagneGST™ Glutathione Particles V8611
V8612
(4mL)
(20mL)
FastBrak™ Cell Lysis Reagent, 10X V8571
V8572
V8573
( 10 mL)
( 40 mL)
(100 mL)

 

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Q. GST-Tag融合タンパク質を発現させるベクターは販売していますか?

A. プロメガでは大腸菌発現用ベクターとして、 pFN2A (GST) Flexi® Vector pFN2K (GST) Flexi® Vector (カタログ番号、C8461、C8471) を販売しています

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Q. 抗GST-Tag抗体の販売はありますか?

A. プロメガでは抗GST-Tag抗体を販売していません。Invitrogen社(Molecular Probes社製)で、Anti-glutathione S-transferase, rabbit IgG fraction(カタログ番号、A-5800)を販売しています。

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Q. どのようなBufferが溶出Bufferとして使用できますか?

A. GST-Tagタンパク質を効率的に回収するためには、別の溶出液と組み合わせることにより、回収量を増やすことができます。代替法による溶出液は、以下のとおりです。

Glutathione
Glutathioneは、MagneGST™ Glutathione ParticlesからGST-Tagタンパク質を効率的に溶出できます。
10mM以下のGlutathione濃度で50kDa以下の小さいサイズのタンパク質を溶出することができます。タンパク質の分子サイズが増加するにつれて、効率よくGST-Tagタンパク質を溶出する必要があるかもしれません。MagneGST™から溶出させたGST-Tagタンパク質にはGlutathioneが含まれています。Glutathioneは100mMの濃度まで高くすると、溶出が困難なタンパク質を回収することができます。
Triton® X-100
Glutathioneの存在下で1%までのTritonR X-100を添加すると、効率よく溶出できると考えられます。TritonR X-100は、100mMのGlutathioneと500mM NaClの濃度まで使用できます。
塩化ナトリウム
塩化ナトリウムは、GST-Tagタンパク質とMagneGST™ Glutathione Particlesの間のイオン的な相互作用を妨げるために溶出Bufferに添加することができます。500mMまでのNaCl濃度で溶出が困難なタンパク質の回収に使用できます。
溶出Bufferの使用量
サンプルから濃縮したタンパク質を得るためには、溶出Bufferの使用量を標準プロトコルの半分~3分の1まで少なくすることができます。しかし、GST-Tagタンパク質の回収量は減少します。いくつかの場合については、溶出Bufferの量を多くすると、GST-Tagタンパク質の回収量が増加します。

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Q. 他の溶媒を使用した際のマグネット粒子の耐性はどれくらいですか?

A. 以下の試薬に対するMagneGST™ Glutathione Particlesの耐性表があります(Technical Manual TM240, pg.17 Table 4)。それ以外の試薬に関しては、別途お問い合わせください。

表4 MagneGST™ Glutathione Particlesの耐性

試薬 濃度
DTT 10 mM以下
塩化ナトリウム 0.64 M以下
Tris, HEPES, リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどの各種Buffer 100 mM以下
Triton® X-100 1% 以下
Tween® 20 1% 以下
Mazu 1% 以下
Cetylrtimethylammonium bromide (CTAB) 1%以下
ethanol 20%
Protease inhibitor cocktail
(Roche Molecular System, Inc. Cat#1836170)
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Q. MagneGST™ Pull-Down Systemを用いてprey タンパク質を捕捉したときに、高いバックグランドが認められました。このバックグランドを除く方法を教えてください。

A. GST-コントロールを用いた場合でも同じようなバックグランドが認められた場合、非特異的な相互作用が起きていると考えられます。このバックグランドを最小化するために、以下の点を検討してください。

  • MagneGST™ Binding/Wash Bufferに塩や界面活性剤を添加することにより、特異性を高めてください。
  • 洗浄回数を増やしてください。
  • タンパク質-タンパク質間相互作用を行う際に、終濃度が1%までとなるようにBSAを添加してください。IGEPAL-CA630(NP-40アナログ)は、終濃度0.5%となるように添加したときでも、バックグランドが減少します。

<参考>
MagneGST™ Glutathione Particlesを多く使用すると、強いバックグランドが生じます。MagneGST™ Pull-Down Systemでは、5µlのMagneGST™ Glutathione Particlesを用いたときに、最もよい結果が得られます。

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