プロメガ製品 Q & A 【 酵素 】

 

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制限酵素  

  Q.制限酵素反応とは?
  
Q.2種類または複数の制限酵素処理を同時に行うにはどのようにすれば良いでしょうか。
  
Q.制限酵素地図を作成するために便利なインターネットのサイトはありますか?
  
Q.プロメガのほとんどの制限酵素にアセチル化BSAとMULTI-CORE™ Bufferが添付されている理由は?


Pfu DNA Polymerase

  Q.なぜTaq DNA Polymaraseではなく、Pfu DNA Polymeraseが使われるのですか? Pfu DNA Polymeraseによる反応はどのように調製すればいいのですか?  


RQ1 RNase free DNase

  Q.RQ1 RNase-Free DNaseをどのように使ったら、RT-PCRに使うためのRNAサンプルから混入したゲノムDNAを取り除くことができるのですか。


仔ウシ腸管粘膜由来アルカリホスファターゼ(CIAP)

  Q.仔ウシ腸管粘膜由来アルカリホスファターゼ(CIAP) は、 脱リン酸化反応の後どのようにしたら不活性化できますか。


T4 DNA Polymerase

  Q.なぜ、3'突出を平滑末端に変換するために、T4 DNA Polymeraseの3'エキソヌクレアーゼ活性を使う際にdNTPsを加える必要があるのですか?

 


 制限酵素
 制限酵素一般

Q.制限酵素反応とは?

制限酵素反応による解析には、通常20μl反応液に約0.2~1.5μg の基質DNAに対して2~10倍の過剰量の酵素(μg DNAあたり2~10ユニット)を加えて行います。DNAと酵素の容量はあるレベルを超えないように通常の範囲で行ってください。例えば、反応液の10%以上がDNAサンプルである場合、DNAサンプルに制限酵素反応を阻害する物質(EDTAなど)が含まれている可能性があります。そのため、プロメガでは20μl反応液あたり 2μlまたはそれ以下のDNAを使うことを推奨します。また、最終的なグリセロール濃度は5%以下が望ましいので、酵素量は反応液の10%またはそれ以下の量にすることを推奨します。グリセロール濃度が高い場合、酵素群によってはStar活性(通常の認識部位と同一ではなく類似した配列を消化する)を生じることがあります。

以下に典型的な制限酵素反応の例を示します。各試薬は以下に示された順で滅菌した微量遠心チューブに加えてください。

滅菌済みNuclease-Free Water

14μl

適切な制限酵素の10Xバッファー(例えば、Buffer E)

2μl

アセチル化BSA(1mg/ml)*

2μl

DNAサンプル(0.2-1μg) in D.W.またはTEバッファー

1μl

制限酵素(10u/μl) (例えば、BamH I)

1μl

最終容量

20μl

*プロメガの制限酵素には10mg/mlのアセチル化BSAが添付されています。これを使用前にNuclease-Free Waterで10倍希釈してください。もしくは、10mg/mlのアセチル化BSA(原液)を100倍希釈になるように制限酵素反応液に直接加えてください。

ピペッティングで穏やかに混ぜ(酵素を加えた後にボルテックスは行わないでください)、12,000×gで短時間の遠心を行い、混合液をチューブの底におとします。最適反応温度で1~4時間インキュベートします(ほとんどの制限酵素の最適反応温度は37℃ですが、ある程度の幅を持たせることができます)。4μlのBlue/Orange Loading Dye, 6Xを加え、電気泳動により解析します。

組成や異なった制限酵素バッファーでのpHに関する制限酵素の特性については表3(Composition of Promega Restriction Enzyme Buffers [1X])をご覧ください。適当な反応温度での4-CORE Bufferを使った制限酵素の相対的な活性については表2(Relative Activity of Restriction Enzymes in Promega's 10X Buffers)をご覧ください。(eNotes-FAQ0001)

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Q.2種類または複数の制限酵素処理を同時に行うにはどのようにすれば良いでしょうか。

すべての酵素の最適な反応バッファーが同一である場合、そのバッファーで行えます。
酵素量の合計が反応液量の10%を超えないように加えます。

例:

滅菌済みNuclease-Free Water

13μl

制限酵素反応バッファーE

2μl

アセチル化BSA(1mg/ml) *

2μl

DNA sample (0.2~1μg) in D.W.またはTEバッファー

1μl

BamHI (10u/μl)

1μl

HindIII (10u/μl)

1μl

最終反応量

20μl

*プロメガの制限酵素には10mg/mlのアセチル化BSAが添付されています。これを使用前にNuclease-Free Waterで10倍希釈してください。もしくは、10mg/mlのアセチル化BSA(原液)を100倍希釈になるように制限酵素反応液に直接加えてください。

同時に処理したい酵素が同一のバッファーで最適な活性を示さない場合には、以下のような方法があります。

  1. バッファー互換性の表を参考にします。それぞれの酵素の最適なバッファーにおけるもう一方の酵素の活性を比較してください。ほとんどの場合、プロメガの4-CORER 10× Bufferのいずれか、またはMULTI-CORE™ Bufferで良好な活性が示されるでしょう。ご利用になるバッファーで活性が75%以下の場合は、反応時間を延長するか、加える酵素のユニット数を増やしたほうが良いでしょう。この場合にはStar活性にご注意ください。

  2. より使いやすいバッファー互換性を示すイソシゾマーやネオシゾマーを選択します。制限酵素の特性に記載されている表6(Isoschizomers and Neoschizomers of Commercially Available Restriction Enzymes;市販されている制限酵素のイソシゾマーやネオシゾマー)をご参照ください。

  3. 低塩濃度バッファーで最適な活性を示す酵素を用いて最初の消化を行います。この反応に続けて65℃、10分間の加熱による酵素の不活性化を行います。一部の酵素では熱に対して高い安定性を示すことがありますのでご注意ください。この反応液に、2種類目の酵素の10×反応バッファー、BSA(1mg/ml)、2種類目の酵素、適当量のD.W.を加え、総量で最初の反応液の5倍量になるようにし、適温でインキュベートします。

  4. それぞれの消化を最適なバッファーを使って連続して行います。最初の消化の終了後、Wizard® DNA Clean-Up System(カタログ番号 A7280)を用いた精製または加熱による酵素の不活性化を行い、エタノール沈殿を行います。そして、2種類目の酵素による消化を行います。

(eNotes-FAQ002)

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Q.制限酵素地図を作成するために便利なインターネットのサイトはありますか?

Webcutterは塩基配列を元に制限酵素地図を作成するための無料のオンラインソフトです。このサイト(www.ccsi.com/firstmarket/cutter/)から、直接GenBankや制限酵素のデータベースREBASE(www.neb.com/rebase/rebase.html)に接続できます。配列を直接入力するか、GenBankからダウンロードするか、コピー/貼り付けで入力します。degenerateの消化を含む全ての制限酵素の情報が得られます。ここではWebcutter 2.0 in Texas版とWebcutter 1.0 in Sweden版の2種類があり、Webcutter 2.0のみがdegenerateの消化を検索できます。その他においてはほぼ同等のパフォーマンスを示します。他にも"tacg" (www.hgmp.mrc.ac.uk/ Registered/Option/tacg.html.)も制限酵素地図の作成に使えます。(PN69-FAQ)

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Q.プロメガのほとんどの制限酵素にアセチル化BSAとMULTI-CORE™ Bufferが添付されている理由は?

アセチル化BSAは多くの制限酵素で安定剤として機能します。そのため、制限酵素反応液に加えると反応時の酵素活性を維持できます。アセチル化BSAは酵素反応に必ずしも必須ではありませんが、多くの制限酵素の活性を増加させます。また、反応における有害な作用は認められていません。添付のアセチル化BSAを最終反応容量において100倍希釈となるように加えてください。

MULTI-CORE™ Bufferは2種類かそれ以上の制限酵素消化を同時に行うために添付されています。MULTI-CORE™ Bufferを添付しているプロメガの制限酵素はこのバッファーで少なくとも25%の活性を示します。2重消化する酵素の両方がMULTI-CORE™ Bufferで50~100%の活性を示す場合、このバッファーをBuffer A~Jの代りに使うことができます。また、Buffer A~Jがこのバッファーよりも低い活性を示す場合は、このバッファーを選択してください。MULTI-CORE™ Buffer中で25%以下の活性を示す酵素は、このバッファーがが添付されていません。(PN67-FAQ)

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 修飾酵素
 Pfu DNA Polymerase 

Q.なぜTaq DNA Polymaraseではなく、Pfu DNA Polymeraseが使われるのですか? Pfu DNA Polymeraseによる反応はどのように調製すればいいのですか?

Pfu DNA Polymerase(カタログ番号 M7741)はPyrococcus furiosus Vc1 (DSM3638) (1)から単離された耐熱性酵素です。この酵素は5’→3’のDNAポリメラーゼ活性に加えて、3’→5’のエキソヌクレアーゼ活性(プルーフリーディング活性)も示します。Pfu DNA Polymeraseはこれまでに明らかになっている耐熱性酵素の中で最も低いエラー率を示します(2-4)。そのため、Pfu DNA Polymeraseは高い忠実度を必要とするDNA合成に役立ちます(2-5)。ポリメラーゼの正確さとは、そのポリメラーゼが誤ったヌクレオチドを取り込む前までに取り込まれたヌクレオチドの数です。エラー率は正確さの逆の値で、複製されたベースペアあたりの変異数で表されます。Pfu DNA Polymeraseの正確さは7.7 x 105(4)~1 x 106(6)と報告されています。同様のPCRを元にした試験でPfu DNA Polymeraseは、VentR DNA Polymerase (New England Biolabs, Inc.)の約2倍、Taq DNA Polymerase(カタログ番号 M1661) (3,4)の約6倍の正確さを示します。高い忠実度を得るためには、増幅反応に使うTris系の10×バッファーのpHは8.6以上(25℃)でなければなりません。pH8.0ではPfu DNA Polymeraseの忠実度はTaq DNA Polymaraseの忠実度よりも劣ります。プロメガのPfu DNA Polymeraseに添付される反応バッファーのpHは高忠実度を実現するpH8.8です。この反応バッファーには200μMの各dNTPを反応に使うときに最適な酵素活性を示すように2mM MgSO4も含まれています。反応液に加える鋳型DNAの量を増やすことで忠実度を上げることができます。また、サイクル数を減らすことや変性の温度下におく時間を少なくすることでも可能です。このようにPCR産物の簡単な検出のような一般的なPCRにはTaq DNA PolymeraseやTfl DNA Polymeraseが適しています。一方、遺伝子のクローニングや発現、変異の解析のような高忠実度が必要となるPCRには、Pfu DNA Polymeraseを推奨します。

Pfu DNA Polymeraseを増幅反応液へ最後に加えること(特にdNTPsを加えた後に)が重要です。これはPfu DNA Polymeraseのプルーフリーディング活性によりプライマーを分解し、非特異的な増幅産物が現れたり、収量の低下を起こす可能性があるからです。プライマーの分解を防ぐためにGC含量の高い長めのプライマーを使った場合、5’側の初めの15塩基は分解からほぼ完全に保護されます。したがって適切なプライマーの長さは25~30塩基です。また、プライマーの3’末端へのホスホロチオエート(phosphorothioate)の付加により保護することもできます(7)。増幅反応液は氷上で準備し、95℃にあらかじめ熱しておいたサーマルサイクラーにセットすることを推奨します。伸長反応は1kbあたり2分間で行ってください。(eNotes-FAQ0004)

参照文献:

  1. Fiala, G. and Stetter, K.O. (1986) Pyrococcus furiosus sp. nov. represents a novel genus of marine heterotrophic archaebacteria growing optimally at 100℃. Arch. Microbiol. 145, 56.

  2. Flaman, J.M. et al. (1994) A rapid PCR fidelity assay. Nucl. Acids Res. 22, 3259.

  3. Andre, P. et al. (1997) Fidelity and mutational spectrum of Pfu DNA polymerase on a human mitochondrial DNA sequence. Genome Res. 7, 843.

  4. Cline, J., Braman, J.C. and Hogrefe, H.H. (1996) PCR fidelity of Pfu DNA polymerase and other thermostable DNA polymerases. Nucl. Acids Res. 24, 3546.

  5. Lundberg, K.S. et al. (1991) High-fidelity amplification using a thermostable DNA polymerase isolated from Pyrococcus furiosus. Gene 108, 1.

  6. Slater, M. et al. (1998) Pfu DNA Polymerase: A High Fidelity Enzyme for Nucleic Acid Amplification. Promega Notes 68, 7.

  7. Skerra, A. (1992) Phosphorothioate primers improve the amplification of DNA sequences by DNA polymerases with proofreading activity. Nucl. Acids Res. 20, 3551.

 

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 RQ1 RNase-Free DNase [ DNase I ]

Q.RQ1 RNase-Free DNaseをどのように使ったら、RT-PCRに使うためのRNAサンプルから混入したゲノムDNAを取り除くことができるのですか。

RQ1 RNase-Free DNaseを使うと、RT-PCR(a)を実施する前に、トータルRNA、poly(A)+ RNAまたはin vitro転写産物から混入したゲノム(またはプラスミド)DNAを除くことができます。この酵素は、最大の活性を得るためにカルシウムやマグネシウム/マンガンを必要とし(1)、一般的に1μgのDNA(またはRNA)に対して、1ユニットのRQ1 RNase-Free DNaseが使われます。様々なバッファー(制限酵素、リガーゼ、RT(reverse transcriptase)、CIAP(calf intestinal alkaline phosphatase)中で切断を行えます。しかし、40mM Tris-HCl(pH 7.9)、10mM NaCl、6mM MgCl2、10mM CaCl2を含むバッファー中で最も高い活性が得られます。万が一のRNAの分解を防ぐためにRNasin® Ribonuclease Inhibitorを入れることもできます。37℃、15~30分間のインキュベーションの後、フェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール抽出とエタノール沈殿でRQ1 RNase-Free DNaseを除去します。さらに、RT-PCRで使用するプライマーは、テンプレートRNAとゲノムDNAからの生産物を区別できるようにイントロンをはさむようにデザインします。(PN68-FAQ)

参考文献:

1)Ausubel, F.M. et al. (1994) In: Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, New York, 3.12.

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 CIAP [仔ウシ腸管粘膜由来アルカリホスファターゼ]

Q.仔ウシ腸管粘膜由来アルカリホスファターゼ(CIAP) は、脱リン酸化反応の後どのようにしたら不活性化できますか。

仔ウシ腸間膜アルカリホスファターゼ(CIAP) は、サブクローニングのときに分子の末端からリン酸基を除去するためによく用いられます。この酵素は完全に不活性化するのが難しいため、酵素を過剰に加えないようにすることが重要です。酵素の比活性が高いため(1pmolのDNA末端を、脱リン酸化するのに0.01unitで十分です、ライゲーション反応へのCIAPの持ち込みは反応が大きく妨げられることがあります。
この酵素を不活性化する方法は何通りかあります。第1に、CIAPはEDTA(5mM)、SDS(0.5%)、およびprotenase K (50ug/ml) (最終濃度)を加えることにより消化できます。この消化は、56℃で30分間処理した後、70℃で10-15分間インキュベートすることで不活性化できます。第2に、EDTAを最終濃度5mMとなるように加え、反応液を75℃で10分間インキュベートします。フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールによる抽出を続いて行うことで、CIAPは物理的に除去されます。第3に、6×のCIAP stop buffer (consisting of 10mM Tris-HCl (pH 7.5), 1mM EDTA, 200mM NaCl and 0.5% SDS) を脱リン酸化反応に加え、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール抽出とそれに続くエタノール沈殿により脱リン酸化されたDNAを抽出します。(eNote-FAQ)

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 T4 DNA Polymerase

Q. なぜ、3'突出を平滑末端に変換するために、T4 DNA Polymeraseの3'エキソヌクレアーゼ活性を使う際にdNTPsを加える必要があるのですか?

T4 DNA Polymerase(カタログ番号M4211, M4215)は、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性が比較的強いため、2本鎖DNA断片から一本鎖の3'突出部分を取り除く際に最適な酵素です。dNTPs(カタログ番号U1240, U1330)の非存在下では、強いエキソヌクレアーゼ活性のため一本鎖突出だけでなく二本鎖DNAも分解してしまいます。100uM dNTPsを加えることで、T4 DNA Polymeraseは二本鎖DNAにおいて反応を止め、平滑末端を生産するために突出を消化するだけになります。DNA polymerase I large Klenow fragment も同じく3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を持ち、3'突出を取り除くために使われます。しかし、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性がかなり弱いため、Klenow は一般にこのアプリケーションには使われません。  (eNotes - FAQ)

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