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プロメガ製品 Q & A 【 PCR &RT-PCR、TAクローニング 】

 TAクローニング

pGEM-T Vector

 

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  Q.pGEM® -TおよびpGEM® -T Easy Vector Systemを使うとどれぐらいの形質転換効率が予想されますか?

  Q.コンピテントセルはどのように扱うのが適切ですか?

  Q.T-Vectorに確実にクローニングするためにどれぐらいの効率のコンピテントセルが必要ですか?

  Q.どのようにコンピテントセルの効率を測定するのですか?

  Q.どのような要因がライゲーション効率に影響しますか?

  Q.T-Vectorの総合的なクローニングの効率に影響するその他の要因は何ですか?

  Q.pGEM®-T Vector、pGEM®-T Easy Vector、pTARGET™ Mammalian Expression Vectorのような T-Vectorへのクローニングに適した耐熱性酵素はどれですか?

 

Q.pGEM® -TおよびpGEM® -T Easy Vector Systemを使うとどれぐらいの形質転換効率が予想されますか?

推奨するプロトコールに従って、添付のControl Insert DNAをライゲーションし、高効率のコンピテントセル(>1 x 108cfu/μg)に形質転換した場合、少なくとも100個のコロニーが現れます。現れたコロニーの内、60%以上はControl Insert DNAがクローニングされたプラスミドを含む白いコロニーとなります。Control Insert DNAを加えずにライゲーションを行い、>1 x 108cfu/μgのコンピテントセルに形質転換した場合、通常10~30個の青いコロニーが得られます。(PN68-Q&A)

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Q.コンピテントセルはどのように扱うのが適切ですか?

コンピテントセルの高い形質転換効率を維持するために以下の点に注意してください。

  1. 凍結/融解を繰り返さないください。効率は融解するごとに低下します。200μlのコンピテントセルが入ったバイアルを融解し、形質転換を行った場合、残りのコンピテントセルは再凍結せずに廃棄してください。
  2. 氷上で融解し、融解後はすぐに使ってください。
  3. コンピテントセルは崩壊しやすいので、ボルッテクスにより形質転換効率は著しく低下します。ピペッティングで穏やかに混ぜ、形質転換の前にDNAを加えてください。
  4. ある種のチューブではヒートショックが不充分になり、50%までの効率の低下が起こることがあります。このような場合には、滅菌した17×100(mm)のポリプロピレンチューブを使うことを薦めます。
  5. ヒートショックの後に加える培地をLB培地の代りにSOC培地(1)にすると、より多くのコロニーが得られます。

参考文献:
1.Sambrook, J., Fritsch, E.F. and Maniatis, T. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.

(PN68-Q&A)

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Q.T-Vectorに確実にクローニングするためにどれぐらいの効率のコンピテントセルが必要ですか?

得られるコロニーの数を最も多くし、目的のインサートを含んだコロニーを拾う確率を上げるために、プロメガでは高効率のコンピテントセル(>108cfu/μg)の使用を推奨します。 プロメガのpGEM®-T Vector System II、pGEM®-T Easy Vector System II、pTARGET™ Mammalian Expression Vector System(c,d)には化学的手法でコンピテントにした高効率なJM109コンピテントセル(>108cfu/μg)を添付しています。自家調整したコンピテントセルを使う場合、その効率を使用前にチェックしてください。108cfu/μg以下の形質転換効率を示すコンピテントセルの使用は推奨しません。(PN68-Q&A)

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Q.どのようにコンピテントセルの効率を測定するのですか?

コンピテントセルの効率測定に多用されているのは、コントロールDNAの形質転換です。コンピテントセルに少量(0.1-1ng)の環状型プラスミドDNAを形質転換します。適当な抗生物質を含むLBプレートで一晩培養した後、コロニーを形成した単位(colony forming units; cfu)をカウントします。形質転換効率(cfu/μg)を求める式は次のようになります。 (PN68 - Q&A)

   (cfu on control plate)     (1 x 103ng)

-------------------------------- × ------------- × (dilution plated)

  (ng of control plasmid DNA)   (μg)

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Q.どのような要因がライゲーション効率に影響しますか?

塩類、dNTPs、プライマー、耐熱性酵素のような一般的なPCR反応液に含まれる成分はライゲーション効率にマイナス要因となります。そのため、ライゲーション前に、これらの成分をプロメガのWizard® PCR Preps DNA Purification System(e)、サイズ除去クロマトグラフィー、その他の方法(1)を用いて除くことにより効率は上がると考えられます。

目的のPCR産物と同様にプライマーダイマーや非特異的に増幅された産物も3’末端にAの突出を含んでいるので、T-Vectorにライゲーションされます。これらの余分な産物を除くことで目的のインサートを含んだ白いコロニーの出現確率を上げることができます。

どのようなライゲーション反応でも最終的にはベクターとインサートDNAのモル比を変えて最適化を行います。通常ではインサートとベクターのモル比を1:3、1:1、3:1の3種類で行い、最適化されたライゲーション効率をテストします。まれにinsert:vectorのモル比10:1までのテストが必要な場合があります。(PN68-Q&A)

参考文献:
1.Frohman, M.A. (1994) In: The Polymerase Chain Reaction, Mullis, K.B., Ferr・ F. and Gibbs, R.A., eds. Birh舫ser Boston, Cambridge, MA

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Q.T-Vectorの総合的なクローニングの効率に影響するその他の要因は何ですか?

あるインサートのクローニングの効率を予測することは不可能です。その効率はインサートのサイズ、配列、PCR産物の精製度などの多くの要因に依存するためです。これらの要因はコンピテントセルの効率と並び、T-Vectorへのクローニングを成功させるために重要です。例えば、大きなサイズのインサートでは欠失や再構成が起こりやすいため、目的のインサートがクローニングされる効率は減少します(注意:プロメガのpGEM®-TおよびpGEM®-T Easy Vector Systemでは7.5kbまでのインサートのクローニングに成功しています)。クローニングされにくいインサートでは、一般的にDNAの再構成を最低限に抑えるためにデザインされた株を使うことが必要です。さらに、小さなインサートではlacZ geneのリーディングフレームを破壊できないために、コロニーが白色を呈しない可能性があります。このような場合、出現した青いコロニーの多くは目的のインサートを含んだリコンビナントのベクターである可能性があります。バックグラウンドの青いコロニーよりもサンプルの方でより多くの青いコロニーが現れている場合、このような事象が起こっていると考えられます。

ヌクレアーゼが混入していると、PCR産物の精製度はクローニングの効率に影響を与えます。ベクターの”T”の突出とPCR産物の”A”の突出が欠失した場合、平滑末端のライゲーションになるためクローニングの効率は著しく低下します。耐熱性DNA polymeraseが3’→5’ エキソヌクレアーゼ活性(プルーフリーディング活性;表1)を示す場合、ほとんどのPCR産物が平滑末端になります。下記の文献2において”A”の突出を付加するための簡単なA-tailingプロトコールを紹介しています。pGEMR-TまたはpGEMR-T Easy Vector Systemに添付される取り扱い説明書Technical Manual TM042にはクローニングの効率についての重要な知見が詳細に記載されています。(PN68-Q&A)

表1.耐熱性ポリメラーゼの比較(1)

特長

Taq / AmpliTaq®

Tfl

Stoffel Fragment

Tth

Vent® (exo-)

Vent® / (Tli)

Deep Vent™

Pfu

Pwo

UlTma®

5'→3' Exo

X

X

X

X

X

X

X

3'→5' Exo

X

X

X

X

X

RT

X

NA NA NA

増幅DNA 末端

3'A

3'A

3'A

3'A

70% 平滑  30% 1塩基突出

>95% 平滑

平滑

平滑

平滑

>95% 平滑

参考文献:

  1. 1.Newton, C.R. and Graham, A. (1994) PCR, BIOS Scientific Publishers Ltd., Oxford, UK.

  2. 2.Kobs, G. (1997) Promega Notes 62, 15.

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Q.pGEM®-T Vector、pGEM®-T Easy Vector、pTARGET™ Mammalian Expression VectorのようなT-Vectorへのクローニングに適した耐熱性酵素はどれですか?

3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠いた耐熱性DNA Polymerase(例えばTaq, Tfl, Tth DNA Polymerase)はpGEM®-T VectorやpGEM®-T Easy VectorのようなT-vectorに適用できます。Tli, Pwo, Pfuのようなプルーフリーディング機能をもった耐熱性DNA Polymeraseでは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有しているのでT-vectorに適用できませんが、増幅後にTaq DNA Polymerase(または類似の酵素)とdATPを使って末端にAを付加することで適用できます(1)。このように、すべてのPCR産物はT-vectorにクローニングすることができます。ただし、プルーフリーディング機能を有するポリメラーゼでは上記のような末端付加反応が必要です。(PN67-FAQ)

参考文献 :

1. pGEM®-T and pGEM®-T Easy Vector Systems Technical Manual #TM042, Promega Corporation.

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