Canine Pancreatic Microsomal Membranes(In vitro翻訳後修飾)

どのような場合にCanine Pancreatic Microsomal Membranesを使用しますか?

イヌのミクロソームメンブレン(Canine Pancreatic Microsomal Membranes、以下CMM)は、翻訳時あるいはタンパク質翻訳後修飾の初期過程として、シグナルペプチドの切断反応やN結合型糖鎖付加などを調べるときに用いることができます(表5)。詳細は、In Vitro Protein Expression Guide Chapter 8を参照してください。

表5 CMMとRRLおよびWGEを組み合わせて実施した翻訳後修飾の報告例

翻訳後修飾RRLRRL+CMMWGEWGE+CMM
シグナルペプチド切断反応
糖鎖付加
(O-link)

(O-link, N-link)

(O-link, N-link)
アセチル化
リン酸化
イソプレニル化
ミリストイル化

○:論文報告あり

―:論文報告例なし

1) シグナルペプチド切断反応

シグナルペプチド切断反応は、CMMの存在下でRRLと適切な量の鋳型があるときに生じます。このときのタンパク質は、CMMの内側に存在します。また、シグナルペプチドを切断した酵素はCMMから抽出することができます。
シグナルペプチド切断反応は、CMMとWGEの併用でも検出することができます。しかし、WGEだけではシグナルペプチド切断反応が検出できないことがわかっています。

プロメガでは翻訳効率を最適化するために、WGEの製造過程でシグナル認識粒子(Signal Recognition Particle、以下SRP)を除去しています。このことから、WGEは、シグナルペプチド切断反応にはCMMがないと機能しないことになります。分泌タンパク質または膜タンパク質によっては、WGEの翻訳反応にCMMが添加されると、翻訳反応が阻害されることもあります。しかし、細胞質タンパク質の合成では、CMMによる翻訳反応阻害は確認されていません。

RRLにはSRPが存在することが報告されています。

2)糖鎖付加

糖鎖付加は、アスパラギンのアミノ基にオリゴ糖が付加される(N結合型糖鎖付加)とスレオニン、ヒドロキシレジンの水酸基にオリゴ糖が付加される(O結合型糖鎖付加)により生じます。N結合型糖鎖付加は、CMM存在下でRRL、WGEいずれでも確認されています。

O結合型糖鎖付加は、CMMの非存在下のRRLで確認されています。同じ鋳型を使用してWGEで実施したときには、O結合型糖鎖付加を確認することはできませんでした。O結合型糖鎖付加は翻訳後に生じるのに対し、翻訳時にN結合型糖鎖付加が起こっていると考えられています。

3)アセチル化、リン酸化

RRLで合成されるタンパク質のN末端にあるメチオニン残基は、時々、N末端アセチル化により除去されます。N末端アセチル化は、新生鎖がまだリボソームと結合している段階の翻訳初期に生じているようですが、この作用機序はほとんど知られていません。N末端アセチル化はN末端にあるメチオニン残基が除かれたときに起きています。

細胞タンパク質のセリン、スレオニン、チロシン残基に対するリン酸化は、一般的な翻訳後修飾であり、多くのタンパク質にとって、この修飾により変化することで生物学的活性や機能を持つようになります。リン酸化は細胞内に存在するさまざまなプロテインキナーゼによりリン酸化が作用します。

リン酸化の論文報告例としては、RRLとWGEを用いてニワトリ由来のMyoD1タンパク質を発現させています。反応溶液に3mMのEDTAを添加するとMyoD1のリン酸化反応が阻害されました。

4)イソプレニル化、ミリストイル化

システイン残基に対する翻訳後修飾であるイソプレノニル化は、真核細胞での翻訳後修飾で重要な形式であり、膜タンパク質局在としての役割をしています。RRLで翻訳後のタンパク質では、イソプレニル化がおきていることを確認しています。メチル化、エンドペプダーゼによる切断反応も同様にCMM存在下のRRLで確認しています。

RRLの翻訳反応系を用いたタンパク質のミリストイル化修飾も起きていると考えられています。タンパク質へのミリストイル基の結合はイソプレニル化と同様にとても重要であると考えられています。ミリストイル化はWGEの翻訳反応系で認められています。

5)タンパク質のフォールディングとシャペロン

タンパク質のフォールディングと復元は、細胞内の細胞質と小胞体の両方に存在する細胞性シャペロンにより介在されています。シャペロンは凝集や不要な相互作用を防ぐために、新たに合成された疎水性領域や変性タンパク質と相互作用します。シャペロン分子やシャペロン活性は、CMMの存在下のRRL翻訳反応系で認められています。

6)タンパク質分解過程とユビキチン化

In vitroのタンパク質発現においては、翻訳または翻訳後修飾の間に、タンパク質分解過程が進んでいます。RRLによる翻訳反応においては、26Sと20Sのプロテオソーム系に活性を持ったユビキチンとタンパク質分解経路を持っていることが示されています。

一般的にはRRLの翻訳系で合成される15kDa以下のタンパク質は、特にユビキチン化によるタンパク質分解の影響を受けやすくなります。WGEは、RRLよりも小さいタンパク質合成を発現する系として好ましいと考えられています。

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