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代謝産物を見ずして、生体システムを語るなかれ!

イントロダクション メタボローム解析とは生体内に含まれる代謝物(低分子化合物)を網羅 的に解析する手法です。遺伝子構造や、RNA・タンパク質プロファイル が重要なことは既に述べられてきましたが、それらの生体高分子の機 能を制御する低分子プロファイルもオミックス解析では忘れてはなりま せん。当研究所では長く食品や植物由来の代謝産物の解析を主に行っ てきましたが、臨床検体の解析を拡大し、RNA、タンパク質、代謝産物 の統合プロファイリングの実現を目指しています。 メタボローム解析サービスメニュー LC-MS 解析 基本解析:植物二次代謝物、未知化合物など 脂質解析:リン脂質、中性脂質など GC-MS 解析 基本解析:アミノ酸、糖、有機酸など一次代謝産物 脂肪酸解析:C8–C30 の脂肪酸 ソフトウエアライセンシング Confeito GUI Plus LC-MS 受託解析 「LC-MS による解析サービス」では、多くの二次代謝物(芳香族配糖体、 テルペノイド誘導体、脂質、アミノ酸誘導体など)を対象として分析し ます。通常、植物の場合では 5,000 種類以上、微生物の場合では 1,000 種類前後の化合物が検出されます。当研究所では高分解能質量分析装 置 Q Exactive™(Thermo Fisher Scienti c 社)を活用し、LC-MS 分析によっ て分離されたピークを網羅的に検出しサンプル間の成分変動の比較に よるメタボローム解析が可能なデータをご提供します。 GC-MS 受託解析 「GC-MS による解析サービス」では、多くの一次代謝物(糖、アミノ酸、 有機酸、脂肪酸など)を対象として分析します。難揮発性物質をトリメ チルシリル化(TMS 化)あるいはメチルエステル化などの誘導体化によ り揮発性物質に変化させ、GC-MS により網羅的に分析します。当研究 所では 10,000 u/sec の高速スキャンと高感度測定を兼ね備えた四重極 型質量分析計 GCMS-QP2010 Ultra(SHIMADZU)から得られる定量性の 高い分析データと徹底したスペクトルデータの精査により、高精度な ターゲット解析を実現しています。これに加え、ターゲット化合物以外 の化合物も含む全ての検出ピークに対して主成分分析を行い、化合物 含有プロファイルをもとにしたサンプル間比較結果もご提供します。 相関ネットワーク解析用ソフトウェア Confeito GUI plus 相関ネットワーク解析と呼ばれる種類の統計解析を行うためのソフト ウェアです。相関ネットワーク解析では、成分含有量や遺伝子発現量 の変化パターンの相関性を調べ、類似したパターンをネットワークとし てグラフ化します。そのため、生体内で類似の応答を示す代謝物や遺 伝子のグループを視覚的に見つけ出すことが可能になります。Confeito GUI plus は、このような相関ネットワーク解析の複雑な計算を簡便な操 作で実行できるインターフェースをご提供します。 本ソフトソフトウェアはメタボローム解析では、サンプル間で含有パターン が似ている化合物同士の探索・グルーピングなどに利用されます。当研究 所の受託サービスで得られた解析データは勿論のこと、お客様がご自身で 取得した各種データであっても、入力データとして使用することができます。 また、データ解析機能だけでなく、高機能ビューワーも含まれているため、 本ソフトウェア上で論文投稿用の作図やプレゼンテーション等を行うことも 可能です。 図 1. メタボローム解析の分析装置 代謝産物を見ずして、生体システムを語るなかれ! 概要 • メタボローム解析で生体内の代謝産物を網羅的に解析 • 質量分析装置で全てのピークを解析するノンターゲット解析を採用 • 独自に開発した高速解析ソフトウエア オミックス解析③:様々な分野で活用されているメタボローム解析 本サービスの詳細、お問合せ、見積依頼は以下をご覧ください。 www.biosupport.kazusa.or.jp/sub_center3/ 図 2. メタボローム解析ソフトウエア 高速データ処理 データ処理 データ処理 データマイニング 成分変動相関 スペクトル相関 相関ネットワーク解析 多機能試料サンプリング 高感度定量分析 超高分解能質量分析 高感度定量分析 かずさ DNA 研究所生体分子 解析グループのご紹介 我々のグループで行っているメタボ ローム解析受託は、各種の質量分 析装置によって検出された全ての ピークを解析するノンターゲット 解析が特徴です。ノンターゲット 解析に必要な複雑なデータ解析に 対応するため、高速データ処理を 可能にした当研究所独自の解析 ソフトウエア(図 2)を利用して います。また、特定の化合物の定 量分析にも対応可能な質量分析装 (図 1)も整備しています。当研究所のメタボローム解析サービ スは、「液体クロマトグラフー質量分析装置(LC-MS)による解 析サービス」と「ガスクロマトグラフー質量分析装置(GC-MS) による解析サービス」に大別され、独自の相関ネットワーク解 析によって、生体内で類似の応答を示す代謝物や遺伝子のグルー プを視覚的に見つけ出すことを可能にするソフトウェア Confeito GUI plus(図 2)を開発し、提供しています。 公益財団法人かずさ DNA 研究所 生体分子解析グループ グループ長 鈴木 秀幸先生 8 Omics Analysis