1. HOME
  2. 全件表示
  3. PolyATtract® System 1000 (Cat.# Z5400/Z5420) Protocol for Tissues

PolyATtract® System 1000 (Cat.# Z5400/Z5420) Protocol for Tissues

System 1000 組織から

PKK Jan-2000-Mo3 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 1 PolyATtarct® System 1000 (Cat.# Z5400/Z5420) Protocol for Tissues <日本語プロトコール> キット内容 n 25ml Streptavidin MagneSphere® Paramagnetic Particles (SA-PMPs) n 20ml GTC Extraction Buffer n 50μl Biotinylated Oligo(dT) Probe (50pmol/μl) n 40ml Dilution Buffer n 900µl β-Mercaptoethanol (97.4%) n 25ml Nuclease-Free Water n 375ml SSC 0.5×Solution (3×125ml) n 1 PolyATtract® System 1000 Magnetic Separation Stand n 1 PolyATtract® System 1000 Magnetic Stand Adapter (15ml tubes 用) n 40 mRNA User Tubes 保存条件:PolyATtract® System 1000 に含まれる試薬は 4℃~25℃で保存していただければ、 購入日から最低 6 ヶ月は安定です。 Streptavidin MagneSphere® Paramagnetic Particles は凍結しないでください。 使用上の注意 1. このキットでは最適の結果を得るためにできるだけ新鮮なサンプルを使ってください。 または、回収後迅速に液体窒素でサンプルを凍結し、使うまで-70℃に保存してください。 2. 1 度に 1,000mg 以上のサンプルを用いないでください。サンプルの粘度が高い場合、 SA-PMPs を磁石で回収する時に SA-PMPs の凝集を生じ、回収率を下げることになりま す。 3. SA-PMPs を再利用することはできません。一度使用した SA-PMPs では Biotinylated Oligo(dT)が結合したままです。このため新たに結合できる Biotinylated Oligo(dT)のキ ャパシティーが下がっており、回収率が下がります。また、前に単離した核酸が混入し ます。 4. 遠心機とローターは必ず室温でお使いください。 PKK Jan-2000-Mo3 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 2 表 1. サンプル量と使うチューブの大きさ サンプル量 チューブの大きさ 5~10mg 0.5ml 5~35mg 1.5ml 35~100mg 12×75mm 100~1,000mg 50ml または 15ml※ ※100mg 以上のサンプルの処理には、15ml または 50ml のキャップ付ポリピロピレン製チュ ーブの使用を推奨します。 表 2. 少量(5~100mg)の組織に使う試薬の量 組織量 (mg) 試薬 5 10 25 50 100 GTC Extraction Buffer 40μl 80μl 200μl 400μl 800μl Dilution Buffer 80μl 160μl 400μl 800μl 1.6ml Oligo(dT) Probe 5pmol 10pmol 25pmol 50pmol 100pmol SA-PMPs 60μl 120μl 300μl 600μl 1.2ml SSC 0.5× Solution※ 500μl 500μl 1ml 1ml 1ml Nuclease-Free Water 40μl 80μl 200μl 400μl 800μl ※示されている量は mRNA/SA-PMPs 複合体を 1 回洗浄するために使う量です(使う総量ではありません。) 表 3. 多量(125~1,000mg)の組織に使う試薬の量 組織量 (mg) 試薬 125 250 500 750 1,000 GTC Extraction Buffer 1ml 1ml 2ml 3ml 4ml Dilution Buffer 2ml 2ml 4ml 6ml 8ml Oligo(dT) Probe 125pmol 250pmol 500pmol 750pmol 1,000pmol SA-PMPs※ 1.5ml 3ml 6ml 9ml 12ml SSC 0.5× Solution 2ml 2ml 2ml 2ml 2ml Nuclease-Free Water 1ml 2ml 3ml 5ml 6ml ※示されている量は mRNA/SA-PMPs 複合体を 1 回洗浄するために使う量です(使う総量ではありません。) 準備するもの ● ホモジナイサー ● 70℃の恒温水槽 ● Beckman Model J2-21 遠心機または同等機 ● 計量天秤 PKK Jan-2000-Mo3 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 3 §サンプル調整 ① GTC Extraction Buffer、Biotinylated Oligo(dT) Probe、Nuclease-Free Water、SSC 0.5× Solution を冷蔵庫から取り出し室温に戻す。 Dilution Bufferを 70℃に温めておく(Dilution Bufferを温める時に次の点にご注意ください。 70℃以上に温めないでください。70℃に達してから必要以上に温めないでください。温 めすぎた場合、ボトルの底が変形することがあります。)。 ② 表 1 に従い適当なサイズの RNase-Free チューブに 1ml の GTC Extraction Buffer あたり 20.5μl のβ-mercaptoethanol(97.4%)を加える。以下、この溶液を Extraction/BME Buffer と呼びます。β-mercaptoethanol の最終濃度は 2%になります。 RNase の混入を避けるために RNase-Free のピペットを使用し、手袋を着用する。 Extraction/BME Buffer を含んだチューブの重量を正確に測定し、記録する。 ③ できるだけ迅速に目的の組織を摘出し、Extraction/BME Buffer が入ったそれぞれのチュ ーブに加える。小型のホモジナイサーを高速で使って組織片が見えなくなるまでホモジナ イズする。 ④ Extraction/BME Buffer に組織が入ったチューブの重量を正確に測定し、記録する。ステ ップ②で得られた重量を引き、組織の量を計算する。 §mRNA の吸着 ⑤ 表 2 および表 3 を参照し、ステップ④で得られた組織量に対する必要な Biotinylated Oligo(dT) Probe、SA-PMPs の使用する量を決定する。1 サンプルあたり 50pmol 以下の Biotinylated Oligo(dT) Probe を使用する場合、Nuclease-Free Water で Probe を 10 倍に 希釈して使う。希釈した Biotinylated Oligo(dT) Probe は 4℃で保存する。 ⑥ 温めた Dilution Buffer を滅菌チューブに分注し、1ml の Dilution Buffer あたり10.25μl の β-mercaptoethanol(97.4%)を加える。β-mercaptoethanol の最終濃度は 1%になります。 表 2 および表 3 で決められた量の Dilution Buffer をステップ④のホモジネートに加え、転 倒混和により撹拌する。ステップ⑤で決められた量の Biotinylated oligo(dT) Probe を加え、 振ってよく撹拌する。この混合液を 70℃で 5 分間インキュベートする。 ⑦ 溶液をきれいな滅菌済の 15ml COREX®チューブまたは同等の遠心チューブに移す。ホモ ジネートの細胞塊と沈殿したタンパク質を除くために 12,000×g、10 分間、室温で遠心 する。 SA-PMPs の準備 : チューブ内に沈殿している SA-PMPs を、均一になるように溶液全体 に完全に再浮遊させる。ステップ⑤で決定した量の SA-PMPs を新しい滅菌済みのチュー ブに移す。この SA-PMPs の入ったチューブを Magnetic Stand に置く。この Magnetic Stand をゆっくりと水平方向に倒し、SA-PMPs がチューブの壁面に集まるまで放置する。 すべての SA-PMPs が壁面に集まったら、Magnetic Stand につけたままの状態で、注意し てゆっくりとチューブと Magnetic Stand を傾けて溶液のみを捨てる。その際に、溶液は 壁面に集まった SA-PMPs の上を通過するように捨てる。 PKK Jan-2000-Mo3 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 4 《注意》溶液の塩や界面活性剤の沈殿を防ぐために、遠心機やそのローターは室温で 使ってください。 ⑧ ステップ⑤で決められた SA-PMPs の量と同量の SSC 0.5×を用いてステップ⑦の SAPMPs を再溶解する。Magnetic Stand を使って SA-PMPs を吸着する。ステップ⑦と同様 の方法で SSC 0.5×を捨てる。この作業をさらに 2 回行う(合計で 3 回)。最後にステップ ⑤で決められた SA-PMPs の量と同量の SSC 0.5×を用いて SA-PMPs を再溶解する。   《禁止》SA-PMPs は遠心しないでください。SA-PMPs が凝集し、回収率が低下します。 ⑨ ホモジネートの細胞分画を沈殿させるためのステップ⑦の遠心の完了後、沈殿したタンパ ク質のペレットに触らないように、注意深くホモジネートの上清を滅菌したピペットで吸 い取る。ホモジネートは茶の半透明色を呈している。沈殿したタンパク質のペレットに触 らないように、注意深くホモジネートの上清を滅菌したピペットで吸い取る。このクリア ーなホモジネートをステップ⑦~⑧で調製した SA-PMPs を含むチューブに移す。 Magnetic Stand から SA-PMPs が入ったチューブをはずし、ホモジネートと SA-PMPs を転倒混和し、確実に混合する。 《禁止》ホモジネートを移す時に、細胞分画のペレットが壊れると、収量が低下します。 ペレットが壊れた場合、もう一度遠心して下さい。 ⑩ ホモジネート/SA-PMPs 混合液を室温で 2 分間インキュベーションする。Magnetic Stand に置き、ホモジネートが透明になるまで Magnetic Stand を水平方向に傾け、SA-PMPs を吸着させる。ステップ⑦と同様に上清を捨てる。原理的にこの上清に mRNA は含まれ ませんが、念のため RNase-Free チューブに移し、氷上で保存してください。mRNA の 回収が確認されたならば廃棄してください。 §洗浄 ⑪ Magnetic Stand からチューブをはずして、表 2 および表 3 で決められた量の SSC 0.5× Solution にホモジネート/SA-PMPs を再溶解する。チューブを指で穏やかに弾いて撹拌す る。この混合液を 2ml mRNA User Tube に移す。チューブを Magnetic Stand に立てて SA-PMPs を吸着させる。Magnetic Stand につけたまま SSC 0.5× Solution をピペット で注意して除く。SSC 0.5× Solution での再溶解と SSC 0.5× Solution の除去をさらに 2 回繰り返す(合計 3 回)。最後(3 回目)の SSC 0.5× Solution の除去をした後、SA-PMPs のペレットを崩さないようにできるだけ SSC 0.5× Solution を除去する。 《注意》洗いのステップは Magnetic Stand から十分に離した位置で行ってください。 §mRNA の溶出 ⑫ mRNA を溶出するために、表 2 および表 3 で決められた量の Nuclease-Free Water を SA-PMPs のペレットに加える。チューブを穏やかに指で弾いて SA-PMPs を再溶解する。 ⑬ ステップ⑦と同じように Magnetic Stand を水平方向に傾けて磁石に SA-PMPs を吸着さ せる。溶出された mRNA を含む液体を滅菌済みの 1.5ml 遠心チューブに移す。 PKK Jan-2000-Mo3 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 5 原理的に現時点では SA-PMPsから mRNAは外れ、Nuclease-Free Waterに溶解して1.5ml 遠心チューブに移っていますが、念のため、Nucleae-Free Water に SA-PMPs を再溶解 し、mRNA の収量と純度を確認するまで氷上で保存する。 《注意》まれに、溶出液へ SA-PMPs の持ち越しが見られます。この場合、この溶出液を 12,000×g、1 分間遠心して、SA-PMPs を沈殿させ、その上清だけを使います。それでも 残る SA-PMPs は RNA の実験に用いられるほとんどの酵素反応を阻害しません。 トラブルシューティング 症状 原因 コメント 溶出段階で塩が除かれてい ない。 最後の SA-PMPs ペレットを Nuclease-Free Water で洗浄し、こ の溶出液の A260を測定する。 mRNA が溶出されてい ない。 mRNA 精製の過程に RNase が混入している。 RNase-Free の環境を整え、実験全 体をやり直す。 A260/A280の値が低い タンパク質が混入している。 mRNA から混入しているタンパク 質を除去するために数種類の方法が 使われている。精製した RNA のフ ェノール:クロロホルム抽出が最も 使われている。この手順でより高い A260/A280 の比が得られるが、40%以 下の RNA を失うことがある。 A260/A280の比率が低い guanidine thiocyanate かβMercaptoethanol が混入し ている。 mRNA をアルコール沈殿する。 サンプル量が少ない。 μg のRNAが必要ならばより大量の サンプルから RNA を再単離する。 サンプルが完全な状態では ない。 in vivo での RNA 分解を最低限にす るための手順を確認する。摘出した 組織を液体窒素で迅速に凍結し、使 うまで-70℃で保存する。 細胞に含まれる mRNA の量 が少ない。 ある種の組織に含まれる mRNA 量 は低いので、大量のサンプルから再 単離する。 RNA の収量が低い 一部の mRNA が分解されて いる RNase-Free の環境を整える。また、 前述の『サンプルが完全な状態では ない』を参照する。