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PolyATtract® mRNA Isolation System I & II

System I & II

PKK Jan-2000-Mo-1 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 1 PolyATtract® mRNA Isolation System I & II Cat.# Z5200 & Z5210 <日本語プロトコール> キット内容 1-5mg までの total RNA からの mRNA 抽出を 3 回行うために十分な試薬が含まれています。 n 35μl Biotinylated Oligo(dT) Probe (50pmol/μl) n 3×1.4ml 20×SSC Solution n 3×3ml Streptavidin MagneSphere® Paramagnetic Particles (SA-PMPs) n 3×25ml RNase-Free Water n 3 個 mRNA User Tube n 1 個 12×75mm チューブ用磁石スタンド(Z5210 には含まれません) 保存条件:PolyATtract® mRNA Isolation System に含まれる試薬は 4℃で保存していただけ れば、購入日から少なくとも 6 ヶ月は安定です。 Streptavidin MagneSphere® Paramagnetic Particles は凍結しないでください。 使用上の注意 1. 実験者の手と空気中の細菌・カビから RNase の混入が起こり得ます。この混入を防ぐ ために、キットに添付される試薬を扱うときに、最適な微生物の滅菌手順を行ってくだ さい。キットに添付される試薬は何度も繰り返し使います。そのため、フタの開閉時に 起こりうるコンタミネーションには十分にご留意ください。ゴム手袋は必ず装着してく ださい。 2. RNA を扱うときには、できるかぎりディスポのプラスティック容器を使ってください。 これらの容器は一般的に RNase-Free のため、RNase を不活性化させる処理が不要です。 3. ディスポではないガラスやプラスティックの容器は使用前に RNase-Free にする処理を 確実に行ってください。ガラス容器は 200℃で一晩乾熱滅菌してください。プラスティ ック容器は使う前に 0.1N NaOH, 1mM EDTA に浸した後、RNase-Free Water に浸して ください。 4. 実験者が準備する溶液には室温で一晩 diethyl pyrocarbonate(DEPC)処理し、残った DEPC を除くために 30 分のオートクレーブを行ったものを使ってください。ガラス容 器でも 0.05% DEPC に一晩浸し、オートクレーブで除いたものを使うことができます。 準備するもの ● 20×SSC ● 65℃の恒温水槽またはヒーティングブロック ● 滅菌した RNase-Free のプラスティックチューブ PKK Jan-2000-Mo-1 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 2 ● 滅菌した RNase-Free のピペットとピペットのチップ スタートの total RNA 量が 1 ~5mg の場合 A. プローブとのアニーリング ① 1~5mg の total RNA を滅菌した RNase-free のチューブへ最終量 2.43ml に RNase-Free Water で調製する ② 65℃のヒーティングブロックで 10 分間インキュベートする ③ 10μl の Biotinylated-Oligo(dT) Probe と 60μl の 20×SSC を RNA に加える。穏やかに混 ぜ、完全に冷めるまで室温で放置する。これには 30 分間程度必要と考えられる。これを 冷ましている間に、0.5×および 0.1×SSC の調製を行う。 B. ストック溶液の調製 ① 0.125ml の 20×SSC に 4.875ml の RNase-Free Water を加えて、5ml の 0.5×SSC を RNase-Free のチューブで調製する ② 50μl の 20×SSC に 9.95ml の RNase-Free Water を加えて、10ml の 0.1×SSC を RNase-Free のチューブで調製する C. Streptavidin Paramagnetic Particles (SA-PMPs)の洗浄 ① SA-PMPs のチューブの底を指ではじいて、完全に SA-PMPs を再溶解させる。チューブ を磁石のスタンドに立てて、SA-PMPs がチューブの壁面に集まるまで SA-PMPs を磁石 に回収する(約 30 秒)。注意して上清を除く。Notes: SA-PMPs の遠心は決して行わない でください。 ② SA-PMPs を 1 回当たり 1.5ml の 0.5×SSC で 3 回洗浄する。毎回、磁石のスタンドで SA-PMPs を回収し、注意して上清を除く ③ 洗浄した SA-PMPs を 0.5ml の 0.5×SSC に溶解する D. Oligo(dT)-mRNA 複合体の回収と洗浄 ① ステップ A.③で調整したアニーリングの反応液の全量をステップ C.③で調整した SAPMPs に混合する ② 室温で 10 分間インキュベートする。1~2 分ごとに転倒混和を行い、穏やかに混ぜる ③ インキュベート後の SA-PMPs を磁石のスタンドで回収し、SA-PMPs のペレットを乱さ ないように注意して上清を除く Notes: この段階で原理的に mRNA は SA-PMPs との複合体としてペレット側にあります が、結果が確認されるまで、念のため上清は最後まで保管してください ④ 1 回当たり 1.5ml の 0.1×SSC を加え、軽く指でチューブを弾くことでペレットを再溶解 させて洗浄を行う。この洗浄は 4 回行う。最後の洗浄の後、ペレットを乱さないように できる限り溶液を除去する PKK Jan-2000-Mo-1 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 3 E. mRNA の溶出 ① mRNA を溶出するため、最終の SA-PMPs のペレットを 1.0ml の RNase-Free Water に再 溶解する。再溶解はチューブを指ではじいて行う ② SA-PMPs を磁石のスタンドで回収し、溶出された mRNA を含む水相を 2ml User Tube に移す。SA-PMPs のペレットは捨てないでください Notes: mRNA の溶出液にSA-PMPs の持ち込みがあった場合、10,000×g、5~10分間の4℃ の冷却遠心を行って SA-PMPs を落とし、注意しながら mRNA 溶液を新しい滅菌した RNase-Free チューブに移す トラブルシューティング 問題 原因 コメント アニーリングの段階で塩が除か れていたため、mRNA が結合し ていない。 20×SSC を加えてアニーリン グを行う(最終的には 0.5×)。 プローブの捕獲と洗浄の前に行 うアニーリング反応の冷却が不 充分である。 保存しておいた上清を SAPMPs に戻し、実験操作を続け る。 溶出の前に塩が取り除かれてい ない。 最後の SA-PMPs のペレットを 脱イオン滅菌水で再洗浄し、こ の溶出液の吸光度(A260)を測定 する。 mRNA が溶出されない。 total RNA に RNase が混入して いる。 ゲル電気泳動で total RNA の品 質を確認し、必要ならば RNA の単離をもう一度行う。プロメ ガの RNAgents® System を用 いて高品質な total RNA を単離 する。 ゲルで RNA が分解され ている mRNA の単離に RNase が混入 している。全体の過程を再度行 う。 RNase-Free の環境を整える。 収量が低い 洗浄液の塩濃度が低い。 20×SSC を加え(最終濃度 1 ×)、アニーリングステップを繰 り返し、0.2×SSC で最後の洗 浄を行う。 PKK Jan-2000-Mo-1 プロメガ株式会社 テクニカルサービス 03-3669-7980 prometec@jp.promega.com 4 精製した mRNA の解析と取り扱い A. mRNA の濃度と精製度の確認 溶出した mRNA の濃度と精製度は分光光度計で確認できます。精製されている mRNA は A260/A280の比が 2.0 以上を示します。mRNA 濃度の確認では、A260での吸光度 1 あたり 40 μg/ml mRNA を示します。 1mg 以下の total RNA から mRNA を単離した場合、サンプルを希釈しなくても直接吸光 度を測定することができます。吸光度を測定後、サンプルを回収できるようにキュベット は RNase-Free にしてください。RNase-Free にするためにキュベットを 50mM NaOH で 洗浄し、滅菌水で洗い流してください。 単離された mRNA の品質は変性アガロースゲルで確認できます。しかし、1mg 以下の total RNA から mRNA を単離した場合、全量のサンプルをローディングする必要があるかもし れません。これらのゲルは保存しておけば、ノーザンブロットに使えます。 B. mRNA の沈殿と濃縮 PolyATtract® System で単離された mRNA は分光光度計の解析には十分な濃度ですが、 cDNA クローニングや in vitro 翻訳のような実験には希薄な濃度です。0.5mg 以上の total RNA から単離された mRNA はアルコール沈殿で濃縮した方が良いかもしれません。: 1. cDNA クローニング:0.1 容量の 3M sodium acetate と 1.0 容量の isopropanol を溶出し た溶液に加え、-20℃で一晩おく。 in vitro 翻訳:0.1 容量の 3M potassium acetate と 1.0 容量の isopropanol を溶出した溶 液に加え、-20℃で一晩おく 2. >12,000×g で 10 分間の遠心を行う。RNA のペレットを 1ml の 75% ethanol に再溶解 し、もう一度遠心する。 3. 短期間の保存:真空乾燥機で 15 分間 RNA ペレットを乾燥させる。0.5-1.0μg/μl とな るように RNase-Free の脱イオン水に再溶解し、-70℃に保存する。 長期間の保存:sodium acetate/isopropanol を RNA ペレットに加え、-70℃に保存する。 0.5mg 以下の total RNA から mRNA を単離した場合、一般的に予想される収量は低いため、 沈殿しても回収は困難になります。低い収量のサンプルでは、溶出した mRNA を-20℃で 10 分間凍結し、Speed-Vac®で約 2.5時間かけて乾燥させます。そしてサンプルをcDNA ク ローニングや in vitro 翻訳に適した量に再溶解します。プロメガでは cDNA ライブラリー をわずか 100μg の total RNA から単離した mRNA から作成しています。