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ProNex® DNA QC Assayを用いた アンプリコンサイズ比によるDNAの品質管理の実例 ~~ DINとの比較による有用性の検証~~

Promega Info プロメガ株式会社 山口大学医学部附属病院検査部 藤井智大先生、西岡光昭先生、 國宗勇希先生、山﨑隆弘先生、末廣寛先生 ProNex® DNA QC Assayを用いた アンプリコンサイズ比によるDNAの品質管理の実例 FFPEから抽出したDNAの品質を表すために最も使われている指標は、“DIN (DNA Integrity Number)”であり、TapeStationシ ステム(アジレント・テクノロジー社製)を用いて、DINの測定が行われる。 しかし、この装置は用途が限定されることから、多くの病院病理部において、配備されている事例は少なく、各病院でDINを確認するのは 難しいのが現状である。 それに対して、ΔCt値(異なる長さのアンプリコンサイズ「例: 50~100bp程度の短鎖アンプリコンと、100~300bp程度の長鎖アンプ リコンなど」から得られるCt値の差)のようなアンプリコンサイズの差異を利用する手法は、有用性は認識されているにも関わらず、各施設で の諸条件(プライマー設計・リアルタイムPCR装置・PCR条件など)の多様性からDINと相関した、明確な数値的な指標を得ることが困難 である。 今回、山口大学では、ProNex® DNA QC Assayを用いて、DINと相関する比率の明確な数値的指標を明らかにすることを試み、有 用な数値を設定することができた。 お困りごと: FFPEから抽出したDNAの品質管理(分解度の検定)をしたいが、 DINを測定するためのTapeStationは所持していない 改善成功: ✓ 所有のリアルタイムPCRシステムシステムQuantStudio® 5 (サーモフィッシャー サイエンティフィック社製)とProNex® QC Assayを使うことで、ΔCt値を測定す ることができた ✓ 今回の検討条件では、DINを基準として、解析不可となるΔCt値を10.38と設 定することができた ~~ DINとの比較による有用性の検証~~ QuantStudio® 5 (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製) 山口大学大学院医学系研究科病態検査学講座 湯尻俊昭先生 ProNex® DNA QC Assay (プロメガ社製) FFPE検体を用いた分子診断のプレアナリシス段階では、多数の影響因子が知られています(下図参照)。 このうち固定プロセスで用いられるホルマリンは、核酸やタンパクに化学的および物理的修飾を引き起こし、検体品質にきわめて大きな影響を与えることが広く知られており、一般社団法人日本病理学会監修のゲノム診療用病理組織検体取扱い規程に詳しくガイドラインが著されている。 プレアナリシス段階における核酸品質に影響を与える因子 ProNex®DNAQCAssayの特長と仕組み ProNex® DNA QC Assayは、FFPEサンプルなどから抽出したDNAの量と質を評価するためのアッセイキットである。 このアッセイは、マルチプレックスの仕様であり、75bp、150bp、300bpのヒトゲノムDNA配列を増幅することができるプローブベースの定量PCRである。 PCR阻害剤の存在下で発生する可能性のある偽陰性を検出するためのInternal Positive Control (IPC)を含む。 DNAの分解が進んでいるFFPEの場合、DNAの量を知ることだけでは、NGSやddPCRが成功するかどうかを信頼性をもって予測することはできない。 ProNex® DNA QCアッセイを使用することで、サンプル内の増幅可能なDNAの量を特定することができます。 検討の背景 製品名 カタログ番号 対応機種 ProNex DNA QC Assay, ABI 7500/7500FAST NG1002/NG1003 7500/7500 Fast, QuantStudio 5/6 ProNex DNA QC Assay, BioRad CFX96 NG1004/NG1005 BioRad CFX96 核酸の品質は、このような多くの因子に影響を受けるにも関わらず、すべての施設で品質管理を行っているとは言えない状況である。 その要因のひとつとして、品質管理の指標としてDINが広く使われている現状において、DINを測定するための機器が病院に普及していない、また、DINに代わる指標の基準があいまいであると考えられた。 そこで、DINに代わる指標として、汎用性のあるリアルタイム装置で測定できるアンプリコンサイズのCt値の差異に注目し、DINとの比較検討を行いました。 DIN アンプリコン サイズ比 ? ProNex®DNAQCAssayの測定原理および解釈 ①TaqMan Probe を用いたリアルタイムPCRにより75bpと300bpを増幅 ②キット付属のStandard を同時に測定し、検量線からそれぞれの定量値を算出 ③75bpの定量値から、DNA濃度を算出 断片化が進んだサンプルほど75bp/300bp比は大きくなる 断片化DNA (FFPEサンプルなど) 断片化されていないDNA 検討項目および結果 Qubit(TapeStationとProNexでのDNA分解度の比較 蛍光定量)とProNex(定量PCR)でのDNA濃度の比較 検体びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のFFPE 検体数19症例 DNA精製キットMaxwell® RSC FFPE Plus DNA Kit (カタログ番号AS1720) 検討項目DNA分解度検討項目DNA濃度測定 比較対象 機器4150 TapeStation System 比較対象 機器Qubit Fluorometer 試薬Genomic DNA ScreenTape 試薬Qubit dsDNA HS Assay Kit ※ Morlote D, Janowski KM, Siniard RC,Am. J Clin Pathol. 2019 Jun 5より、今回 DIN値3.5以下を解析不可として定めた DIN値3.5を基準として、ProNex®で得られる値“10.38”を解 析不可となるカットオフ値と設定できた ProNex® DNA QC Assayは、汎用性のあるリアルタイムPCR装置で測定可能であり、最も標準的な手法と同等に、濃度 測定と品質評価を同時実施可能なことから以下の検査の流れが実現できる。 試薬ProNex® QC DNA Assay Qubit dsDNA HS Genomic DNA ScreenTape 機器QuantiStudio® 5 Qubit Fluorometer 4150 TapeStation System DNA濃度測定Qubitと同等〇〇 分解度評価DINと同等× 〇 操作の簡便性△ 〇〇 測定時間 ※分注操作を除く 1時間 1検体あたり約5分1検体あたり約2分 同時に88検体測定可能 機器の汎用性〇× × DNA濃度の測定範囲3.2pg~50ng/μl 0.1~120ng/μl 10~100ng/μl 各手法の比較および結果のまとめ ProNex® DNA QC Assay 製品名カタログ番号サイズ ProNex® DNA QC Assay, ABI 7500/7500 FAST NG1002 200回分 NG1003 800回分 ProNex® DNA QC Assay, BioRad CFX96 NG1004 200回分 NG1005 800回分 ProNex® DNA QC Assay, Calibration Kit NG1001 1キット Maxwell® RSC 自動核酸精製 製品名カタログ番号サイズ Maxwell® RSC Instrument AS4500 1台 Maxwell® RSC 48 Instrument AS8500 1台 Maxwell® RSC FFPE Plus DNA Kit AS1720 48回分 お問合せ先 プロメガ株式会社 www.promega.co.jp TEL. 03-3669-7981 E-mail: prometec@jp.promega.com PK2504-08P