野生種イチゴサンプルからのrna-抽出
植物の発現解析:イチゴ葉 >>> RNA 抽出 >>> RT-qPCR, RNA-seq 野生種イチゴサンプルからのRNA 抽出 栽培イチゴ(2n = 56)のゲノムは、祖先種である野生種イチゴ(2n = 14)から受け継いだ複数のサブゲノムで構成されている。自然選択によって無作為な選抜が行われている野生種イチゴは、人為選択の末に作られた栽培イチゴよりもゲノム構造がシンプルなうえに遺伝的多様性が豊富なため、育種に有利な表現型の創出につながる遺伝子の単離や遺伝子マーカーの開発に適した材料といえる。我々は、日本各地から採取した野生種イチゴのコレクションを基に、オミクスデータを統合的に解析し、病害虫の感染や環境ストレスに対する応答機構、または生理障害の詳細を明らかにすることで育種において有益な洞察を得たいと考えている。当プロジェクトの活動を通して、遺伝子マーカーやオミクスデータのプラットフォームを構築・形成し、将来は植物や育種研究の拠点となることを目指している。 野生種イチゴサンプルからのRNA 抽出 宇都宮大学 イチゴプロジェクト 黒倉 健 先生 ポリフェノール類や多糖類を豊富に含む野生種イチゴ(Fragaria iiumae, およびF. vesca)からの核酸抽出 はカラムベースでのキットやマニュアル法では核酸の抽出効率と多用途に使用可能な純度・抽出に要する 時間のすべてをバランスよく満たすことができない。作業者やサンプルの部位、休眠や病原体の感染など の状態に依らず一定以上の品質のtotal RNA を大量のサンプルから短時間で抽出できる手法が望ましい。 ポリフェノール類や多糖類を豊富に含む野生種イチゴから核酸を抽出するポイント 休眠状態(左)と栄養成長状態(右)のF. iinumae 表1. 野生種イチゴ F. iinumae およびF. vesca の各部位からのRNA 収量と純度 植物の発現解析:イチゴ葉 >>> RNA 抽出 >>> RT-qPCR, RNA-seq • サンプル重量は成葉・根の場合100mg を限度とする。量が多いと吸光度比(260/230)の値が悪化する。 • サンプルは破砕しbuffer を加えるまで融解してはならない。途中で融解すると吸光度比(260/230)の値が悪化する。ビーズ式破砕機を用いる場合は短時間・ 複数回掛け,その間も適宜液体窒素を使用することでサンプルを融解させずに確実に破砕する。 • 傷害を受けた葉や休眠芽などサンプルに含まれるポリフェノール類や多糖類が通常より多いと予想量される場合は前処理用のCTAB buffer 中の 2-mercaptoethanol、 NaCl およびPVP の量を増量する。2-mercaptoethanol は抽出作業直前にbuffer に加える。 ラボプロトコール RNA 抽出前処理 600μl の自作したCTAB buffer (2% hexadecyltrimethylammonium bromide, 2% PVP K-30, 100mM Tris-HCl pH8.0, 25mM EDTA, 2.0M NaCl, 0.5g/L spermidine, 2% 2-mercaptoethanol)を加え、65℃のヒートブロックでサンプルが溶解するまで加熱する。 600μl のクロロホルム: イソアミルアルコール(24:1)を加え激しく撹拌し、遠心機(4℃, 20,000 xg)で5 分間遠心分離する。分離した上相を新しい1.5ml チューブに移す。 これを2 回繰り返す。200μl のLysis Buffer を加え,ピペッティングで混合する。 3 RNA 抽出 工程3 のライセートから600μl をMaxwell® Kit のカートリッジに加え、Maxwell® RSC miRNA Plasma and Serum Kit( カタログ番号 AS1680)のメソッドでRNA抽出を 実行する。Elution Tube に加えるNuclease-Free Water は40μl とする。 4 品質チェック NanoDrop で測定する。リアルタイムPCR、RNA-seq での解析に使用する。5 2 サンプル破砕 凍結状態を保ちつつ、ビーズ破砕機または乳鉢/ 乳棒でパウダー状になるまで破砕する。 使用キット:Maxwell® RSC Plant RNA Kit(カタログ番号 AS1500) 1 サンプリング 小葉1 枚あるいは100mg のサンプルを2ml チューブに移し、直ちに液体窒素で 凍結する。 栄養成長状態の茎頂・休眠状態の茎頂・根・展開葉から100 ng/μl 以上 の高品質RNA を抽出することができた。これらのRNA はクローニング, リアルタイムPCR およびRNA-seq 解析に問題なく使用できることを確認 している。 マニュアル法とMaxwell® RSC を併用することで、部位に依らず高純度 なRNA 抽出が可能となった。従来、マニュアル法のみでは約1.5 日を 要していた工程が、Maxwell® RSC の導入により2 時間以内に短縮され、 精製作業のハンズフリー化によって研究効率が大きく向上した。さらに、 作業者の手技レベルに左右されず安定した結果が得られる点は、複数 人で進めるプロジェクトにおいて有用であり、学生や技術補佐員でも短 期間で運用が可能である。加えて、長期間未使用後もメンテナンス不 要で再稼働できる点も大きな利点である。 ここ 3 3 がが 33 難しい! 3 3 333333 F. iinumae 栄養成長茎頂休眠茎頂 濃度260/280 260/230 濃度260/280 260/230 188.6 2.12 2.08 289.0 2.17 2.14 F. vesca 茎頂根葉 濃度260/280 260/230 濃度260/280 260/230 濃度260/280 260/230 186.6 2.16 2.18 241.0 2.16 2.08 282.0 2.11 2.00 茎頂:未展開葉を含むすべての葉を取り除いた茎頂の先端部を切除。 根:培養土を流水で洗い流し、切除。葉:100mg 程度の展開葉を使用 テクニカルサービス ● Tel. 03-3669-7980 ● E-Mail : prometec@jp.promega.com 販売店 日本語 Web site:www.promega.co.jp プロメガ株式会社 本 社 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町1-5 PMO日本橋江戸通 Tel. 03-3669-7981 大阪事務所 〒541-0051 大阪市中央区備後町4-1-3 御堂筋三井ビルディング Tel. 06-6202-4581 ※製品の仕様、価格については2026 年2 月現在のものであり予告なしに変更することがあります。 PK2602-01B