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RT-qPCR + レポーターアッセイで 1 + 1 = 3 !?

レポーターアッセイと RT-qPCR の違い 遺伝子発現解析実験にはレポーターアッセイや RT-qPCR 法が広く用いら れています。それぞれ解析対象が異なり、また各々特徴および、メリット・ デメリットがあります。 RT-qPCR 法は内在性の遺伝子発現量を定量できるという特長がありま す。RT-qPCR の問題点として、実験の過程での RNA の分解、逆転写反 応や PCR 反応による酵素的な artifact、プライマーおよびプローブの特 異性の差、また指数関数的な PCR データによる誤差の拡大等が挙げら れ、タンパク発現量を正確に反映できているか疑問であるという声を 多く耳にします。一方で、レポーターアッセイはレポータープラスミドを 細胞に導入する点で、外来的な実験手法となりますが、発光量測定に よる転写・翻訳されたルシフェラーゼ酵素の直接的な定量であるため、 対象のプロモーター活性やシグナル応答を高い再現性で定量できます。 しかも transient な transfection 技術を用いることにより、わずかな期間 で容易にデータを得ることができます。 レポーターアッセイで RT-qPCR のデータを補強 RT-qPCR の問題点を補強する形でレポーターアッセイの実験を併用する 手法が、多くの論文で用いられています。例えば、京都大学 山中伸 弥教授のノーベル医学生理学賞の受賞理由となった論文 1)では、得ら れた iPS 細胞の評価のため、各種 ES マーカー遺伝子の semi-qPCR を実 施し、さらにこの中で代表的な ES マーカー Oct3/4 および Nanog のプ ロモーターのレポーターアッセイで詳細な解析を行い、より定量性の高 いデータを示してます。 このように、RT-qPCR で得られた発現解析結果に加え、さらに詳細な プロモーターおよびシグナル解析をレポーターアッセイで行うことによ り、より定量的かつ説得力のあるデータを示すことができます。 RT-qPCR + NanoLuc® レポーターで 1 + 1 = 300 ?! プロメガはこのレポーターアッセイの用途を飛躍的に広げる、より高感 度で定量性の高い NanoLuc® Luciferase (Nluc) を 開 発 し ま し た。 NanoLuc® は深海エビ(Oplophorus gracilirostris)由来のルシフェラーゼで、 発光レポーターとして最適なパフォーマンスを発揮するために改変され た分子量の小さな発光酵素(19kDa)です。また、従来のホタルルシフェ ラーゼ (Fluc) に比べ、100 倍以上の発光値を示すので、これまで検出が 難しかったより微小なシグナルの検出や標的タンパク質の遺伝子と融合 させることによりタンパク質レベルの発現解析(タンパク質レポーター) が容易になります(図 1)。 実験技術の進歩により、初代培養細胞や単一細胞レベルでの解析、ゲ ノム編集によるエンドジニアスな解析など高感度での検出が求められ ています。新しい Nluc はこのような最先端の実験手法に完全に適応す る次世代型の発光レポーターです。 NanoLuc® シグナルベクターおよび関連製品を特別価格でご提供! 以下のシグナルパスウェイ解析用のシグナルベクター(非カタログ品を含 む)およびその他の NanoLuc® 関連試薬の特別価格については本誌最終 ページ(8ページ)をご覧ください。 RT-qPCR + レポーターアッセイで 1 + 1 = 3 !? ありのままの細胞解析 生命現象や細胞内の作用機序を真に理解するためには、外的な実験操作を最小限にし、細胞にもともと存在する内在性タンパク質およびそれらによ るシグナルパスウェイの機能や挙動を解析するという方向性が重要になってきます。近年は CRISPR などのゲノム編集技術を利用した内在性の遺伝子 発現解析、あるいは単一細胞レベルでの解析のニーズが高まっており、より高感度な検出システムが必要とされています。現在、遺伝子発現解析実 験には RT-qPCR 法やレポーターアッセイが広く用いられていますが、各々メリットとデメリットがあるため 1 つの手法だけでは十分な発現解析データ が得られない場合があります。今回はこれら2 つの実験手法の組み合わせにより、より信頼性の高い実験結果を示すことができることをご紹介します。 さらに、その効果が 10 倍にも 100 倍にもなる、プロメガの新しいルシ フェラーゼレポーター NanoLuc® をご紹介します。 プロメガ NanoLuc® 検索 RT-qPCR 発光レポーターアッセイ 測定対象 mRNA 転写活性 解析目的 複数遺伝子の発現プロファイリング / 相対的発現比較 (どの遺伝子が動くのか?) 単遺伝子の発現 カイネティクス   (特定の遺伝子または シグナル経路がどの程度動くのか [ex. IC₅₀, EC₅₀]) 情報の内在性 ○ △ artifact △ RNA 精製 逆転写反応 プライマー配列 PCR 反応 ○ トランスフェクション 発光反応 情報取得の タイミング 細胞溶解時(RNA 精製) 細胞溶解時 または経時的 (生細胞) 補正方法 ハウスキーピング遺伝子 2nd レポーター 1)Kazutoshi Takahashi and Shinya Yamanaka, Cell 126, 663–676, 2006 RT-qPCR レポーターアッセイ 信頼性の高い + = 説得力のあるデータ 発現量の変動する 遺伝子を特定 特定遺伝子の発現 カイネティクス解析 Log10[Phenanthroline](M) HRE-luc2P HIF1A-Nluc Celltiter-Fluor™(細胞生存性) Fold Response(log scale) 1 10 -7 -6 -5 -4 13950MA (転写活性) (タンパク質レベル) 図 1. HEK293 細胞のフェナントロリン処理による用量反応 CellTiter-Fluor™により細胞生存性を蛍光測定した後、HIF1A-Nluc 融合タンパク質および 低酸素応答配列を含むレポーターベクターより発現したホタルルシフェラーゼを NanoDLR™アッセイで測定した(本実験で使用したベクター、アッセイ試薬を特価でご利 用いただけます。詳細につては 8 ページをご覧ください)。 京都府立医科大学 中央研究室 RI センター 研究教授 勝山 真人先生 1960 年代に我が国で多発した亜急性脊髄視神経末 梢神経障害(スモン)はキノホルムによる薬害ですが、 その発症メカニズムは未だ不明です。私は培養神経 系細胞株を用い、キノホルムによって起こる遺伝子 発現の変化を調べています。 DNA チップを用いた網羅的解析で、キノホルムが VGF という痛みに関わ るペプチドの前駆体の発現を誘導することがわかっていたのですが、 VGF 遺伝子のプロモーター解析をきっかけに、転写因子 c-Fos の発現 誘導を介する現象であることを見出しました 2)。NanoLuc® の系を用い たのですが、ホタルルシフェラーゼの系よりも発光検出器での測定値が 高く、より信頼性の高いデータが得られたと記憶しています。以降はずっ と NanoLuc® の系を愛用しています。 NanoLuc® レポーターの活用例 2) Masato Katsuyama, et al. “Clioquinol Increases the Expression of VGF, a Neuropeptide Precursor, Through Induction of c-Fos Expression” Journal of Pharmacological Sciences 124, 427-432, 2014 お客様 の声 転写因子 応答エレメント シグナル経路 GPCR シグナル伝達経路 CREB CRE cAMP / PKA NFAT NFAT RE カルシウム / カルシニウリン ELK / SRF SRE MAP / ERK SRF SRF RE RhoA AP1 AP1 RE MAPK / JNK ストレスシグナル伝達経路 Nrf2 ARE 酸化ストレス p53 p53 RE DNA 損傷 ATF6 ATF6 RE 小胞体ストレス ATF4 ATF4 RE 小胞体ストレス MTF1 MRE 重金属ストレス Hif1 α HRE 低酸素 AhR XRE 生体異物ストレス AP1 AP1 RE MAPK / JNK 各種シグナル伝達経路 NF- κ B NF- κ B RE NF- κ B STAT1:STAT2 ISRE INF- α STAT3:STAT3 SIE IL-6 SMAD3:SMAD4 SBE TGF- β STAT5:STAT5 STAT5 RE IL-3 STAT1:STAT1 GAS RE JAK / STAT1 IFN- γ C / EBP RE 複数経路 TCF-LEF TCF-LEF RE Wnt Myc:Max Myc Myc 6