Promega Dynamic Connection 2023 in 神戸

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Promega Dynamic Connection 2023開催のお知らせ

新型コロナウイルス流行の影響により惜しくも開催を中断しておりましたPromega Dynamic Connection(PDC) が、この度12月に開催の分子生物学会に合わせて遂に復活いたします。
PDCは交流発表会として、異分野の先生方同士の共同研究推進を目的に掲げており、毎年の開催ではご参加の皆様の間で活発に意見が交わされております。それらの中には共同研究として実を結ぶような出会いも多く生まれ、微力ながら日本のライフサイエンス研究に役立っていると弊社が自負するところでございます。プロメガはこれからもライフサイエンス研究の力となれるメーカーであり続け、その役割の一つとしてPDCの場をご提供し続けたいと願っております。
皆様ぜひともお誘いあわせの上ご来場いただければと思います。

■ 開催概要

日 程:
2023年12月6日(水)
時 間:
17:00~19:00 講演会 / 19:00~20:00 交流会(軽食あり)
会 場:
アリストンホテル神戸(神戸国際会議場近く)

■ 登壇予定

難病研究へのNanoBiTの応用で上手くできたこと、できなかったこと

片桐 岳信 先生 
埼玉医科大学 医学部 
ゲノム基礎医学

抄録▼

私達のグループは、ヒトの遺伝性疾患で「筋肉が骨になる」と表現される難病(進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva; FOP))の発症機序、診断法、治療法の研究に取り組んでいます。本疾患は、出生時から徐々に全身の筋肉内に余分な骨が形成され、身体を動かすことが困難になる病気です。この病気は、本来は骨折の治癒などに関わる骨誘導因子(Bone Morphogenetic Protein; BMP)と呼ばれる成長因子の膜貫通型キナーゼ受容体ALK2の細胞内領域のアミノ酸置換で発症することが明らかにされました。我々は、Promega社のNanoBiTをALK2受容体に応用し、生細胞内でのリアルタイムなタンパク質相互作用を解析しました。その結果、ALK2受容体の細胞内アミノ酸の変異が関与する遺伝性疾患では、細胞内で変異ALK2受容体同士の二量体が形成されやすくなることで、下流の細胞内シグナルが過剰に活性化されることが明らかとなりました。これらの結果を得るまでに、山のような失敗を繰り返しています。今回は、論文発表した結果と共に、上手く行かなかった数々の実験も紹介させていただきます。色々なご助言を頂ければ幸いです。

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抗体遺伝子組換えで働くDNAトポイソメラーゼ1(Top1)

小林 牧 先生 
京都大学大学院 医学研究科 
がん免疫総合研究センター 免疫ゲノム医学

抄録▼

Bリンパ球では抗原刺激に際し、抗体遺伝子領域の組換えが起きる。比較的大きな遺伝子領域が切り出される「クラススイッチ」は機能の異なる抗体への変化、抗原結合部位領域に変異や微小な欠損が起きる「体細胞変異」は抗原親和性を高める現象で、共にActivation-induced cytidine deaminase (AID)が発現することが必須である。一方、広く種を超えて保存されたTop1は、DNA切断と再結合により二重らせんストレスを解消するが、それが順調に働かない場合に不可逆的DNA切断を残す。演者は抗体遺伝子組換え中に起きるDNA切断はAIDの制御下にTop1によって担われることを2009年に提唱し、その分子メカニズムについて解析しており、今回、その一部を紹介する。

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超高感度プロテオーム解析システムの開発と1細胞分析への挑戦

川島 祐介 先生 
公益財団法人かずさDNA研究所
ゲノム事業推進部

抄録▼

近年、シングルセルプロテオミクス(SCP)に代表される低インプットプロテオミクスの需要が高まっている。本研究ではチューブやチップに対するタンパク質やペプチドの損失を抑制し、逆相固相抽出で簡便に除去できるラウリルマルトースネオペンチルグリコール(LMNG)と呼ばれる界面活性剤を見出し、LMNG-Assisted Sample Preparation(LASP)法を開発した。さらに、LASP法をベースにSCPに特化した簡便なサンプル調製法(scpLASP)を確立し、HEK239F細胞の1細胞分析で最大で1580タンパク質を検出することに成功した。新しく開発した技術はプロメガのプロテオーム解析受託サービスにも順次適応させ、高深度な分析から超微量検体の対応まで幅広いプロテオーム解析ニーズに応えられるように努めたいと考えている。

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NanoBiT法を利用した植物免疫の誘導機構の解析

山口 公志 先生 
近畿大学 農学部 
生物機能科学科 植物分子遺伝学研究室

抄録▼

病原菌は植物に感染すると、複数のエフェクタータンパク質を産生し、植物の細胞内にエフェクターを直接注入します。植物細胞内に分泌されたエフェクターは植物の主要な免疫因子を標的とし、植物の免疫システムを攪乱します。我々のグループでは、このエフェクターの特性を利用し、主要な植物免疫因子を発見することで、新たな植物免疫の誘導機構を明らかにしてきました。特に、植物病原細菌であるイネ白葉枯病菌とその宿主であるイネを研究の材料に、研究を進めてきました。本発表では、共同研究者と構築したイネやシロイヌナズナで利用可能なNanoLuc やNano BiTベクターを利用した研究の成功例や失敗例を交えながら、我々の研究の一部を紹介させていただきます。

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