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ADCC 発光レポーターバイオアッセイを用いた 抗 TNF 抗体医薬品および抗ウイルスワクチンの評価

mTNF α CHO-K1 Traget Cells 抗 TNF α抗体医薬は第一世代の Remicade (Infliximab, EU では 2015 年 2 月に期限切れ、アメリカでは 2018 年 9 月)、Humira (Adalimumab, アメ リカで 2016 年 12 月、EU で 2018 年)がここ数年で相次いでパテント切 れになり、現在バイオシミラー開発競争が激しく繰り広げられています。 Remicade のバイオシミラーは一足先に日本国内でも承認され、すでに 上市されています(インフリキシマブ BS 点滴静注用、日本化薬)。 これら抗 TNF α抗体の作用機序は、可溶性 TNF α(sTNF α)や膜結合型 TNF α(mTNF α)への結合等によりTNF α の生理活性を中和することと されていますが、Remicade や Humira においてはこの他にも mTNF α に 結合することにより TNF α 産生細胞にアポトーシスを誘導する作用や、 抗体依存性細胞傷害(ADCC)や補体依存性細胞傷害(CDC)を引き起 こす作用も報告されており、これらは特にクローン病や潰瘍性大腸炎に おける薬効の一つと考えられています。このためバイオシミラーの承認 申請時にも mTNF αを介した活性の有無を調べるよう求められています が、mTNF α発現細胞株は入手が難しいのが問題点でした。プロメガで はこのニーズに応えて mTNF α安定発現 CHO-K1 細胞を開発し、カスタ ム品での供給を開始しました。 通常 TNF αは膜結合型として発現し、細胞表面でプロテアーゼ(TNFconverting enzyme, TACE)に切断されて sTNF αが放出されます。そのた めプロメガの mTNF 安定発現株では、TNF αを膜上にとどめるため TACE が切断できない mTNF α変異体を使用しました。この細胞株は ADCC Reporter Bioassay のターゲット細胞として使用できます。図 1 に細胞お よ び ア ッ セ イ の 模 式 図 と、Remicade (Infliximab)および Humira (Adalimumab)でのアッセイ結果を示しています。プロトコールも確定し ており、これまで困難だった mTNF αを介する ADCC 活性の測定も抗体 さえあればすぐに結果を出せるようになりました。 Murine Fc γ RIV ADCC Reporter Bioassay インフルエンザのシーズンが近づいてきました。そろそろワクチン接種 する方もいらっしゃるのではないでしょうか?現在のワクチン接種で誘 導される抗ウイルス抗体は主に中和抗体ですが、中和抗体の弱点はウイ ルス抗原がわずかに変異するだけで反応しなくなるため、ほぼ毎年新た にワクチン接種が必要なことです。 実は ADCC 活性を調べたいというニーズは、抗体医薬品だけでなくワク チン開発の分野でも高まりつつあります。ワクチン接種によって産生さ れた抗体の中には ADCC 活性を示すものも含まれており、1970 年代後 半にはすでにこのような抗インフルエンザウイルス抗体の存在が報告さ れていました(① Infect. Immunol. 1978 20: 640–645. ② J. Immunol. 1977 119: 2100–2106. ③ Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1979 76: 4622–4626)。驚 くべきことに、ADCC 活性を示す抗体はインフルエンザウイルスの亜型 に関係なく A 型ウイルス全般と反応し、これに感染した細胞を除去でき ると報告されています(J. Immunol. 2014;193(2):469–475)。このため ADCC 活性を持つ抗体を優先的に誘導できる新しいタイプのワクチン開 発に焦点があてられています。 しかし、このようなワクチンをどうやって見つけたらいいのでしょうか? ワクチン開発にはマウスモデルが使われますが、マウスは血液量が少な いため従来の ADCC アッセイのエフェクター細胞である初代 NK 細胞 (PBMC など)を必要量採取することができません。ここで活躍するのが、 プロメガが開発したマウス ADCC Reporter Bioassayです。ワクチン候補 で免疫したマウスの血清を採取し、マウス ADCC Reporter Bioassayで ADCC 活性の強さを調べれば、効率的に ADCC 活性を持つ抗体を産生 できるワクチン候補を簡単にスクリーニングできます。マウス ADCC Reporter BioassayはヒトADCC Reporter BioassayのEffector cellsを改変し、 抗体と結合する Fc γ受容体をマウスの Fc γ RIV に置き換えたアッセイで す(図 2)。ヒト用キットと同じ簡便なプロトコールでありながら、①マ ウスの in vivo と in vitro の結果をシームレスに解析できる、②ヒトとマウ スでの効果を同じアッセイプラットフォームで比較ができる、という大 きなメリットがあります。 近い将来、インフルエンザワクチンは数年に 1 回接種するだけになるか もしれません。インフルエンザにかかりやすい方は乞うご期待! ここでご紹介した ADCC ベースのアッセイの他にも、プロメガでは抗体 医薬品開発をサポートする画期的な製品を次々に開発しています。次回 の記事もお楽しみに! 今回ご紹介したバイオアッセイについての詳細は弊社まで お問合せください。 ADCC 発光レポーターバイオアッセイを用いた 抗 TNF 抗体医薬品および抗ウイルスワクチンの評価 バイオ医薬プロジェクト 抗体医薬に代表されるバイオ医薬品の研究開発が加速しています。このセクションでは、抗体医薬の研究・評価試験のうち従来法の問題を新たな技 術で克服したアッセイや、従来法では対応できなかった新しいニーズに応えるアッセイをシリーズでご紹介していきます。 第三回目は ADCC Reporter Bioassay の利用例として、抗 TNF α抗体医薬品の評価用 mTNF α CHO-K1 Target Cells、およびマウス ADCC Reporter Bioassay を用いた抗ウイルスワクチン評価についてのお話です。 図 2. 抗インフルエンザ HA ワクチンの ADCC 活性評価 プロメガ 抗体医薬 検索 図 1. mTNF α Target cells でのアッセイ模式図および Infliximab、Adalimumab のデータ ウェブセミナーも要チェック! 以下のタイトルのウェビナーが 7/12、9/27 に開催されました。 ●処理容量を自由に変えられるマグネットビーズ法による 抗体濃縮の効率化 Streamline Your Antibody Enrichment Using Scalable Magnetic Bead-Based Chemistries ●免疫療法を加速させる免疫チェックポイントバイオアッセイ。 Immune Checkpoint Bioassays Power Combination Immunotherapy 以下よりウェビナーの記録やファイル、今後の予定をご覧いただけます。 コラム Promega Webinars 検索 www.promega.jp/resources/webinars/ HA Transfected Target cells Y = NFAT-RE-luc mFcγRIV or hFcγRIIIα Anti-HA stem Ab engineered Jurkat effector cells HA Glo mTNFα CHO-K1 Target cells Y = NFAT-RE-luc FcγRIIIα anti-TNFα engineered Jurkat effector cells Glo mTNFα 0 2.0×10⁵ 4.0×10⁵ 6.0×10⁵ 8.0×10⁵ 1.0×10⁶ Adalimumab Bioluminescence(RLU) LOg10[lnfliximab],g/ml Infliximab -10 -9 -8 -7 -6 -5 0 2.0×10⁵ 4.0×10⁵ 6.0×10⁶ Bioluminescence(RLU) LOg10[adalimumab],g/ml -11 -10 -9 -8 -7 -6 5Promega KAWARABAN