Maxwell® RSC Enviro Total Nucleic Acid Kit (カタログ番号 AS1831) 日本語プロトコル

Quick PROTOCOL Revised 2025/9 Maxwell® RSC Enviro Total Nucleic Acid Kit (カタログ番号 AS1831) 日本語プロトコル キットに含まれる構成品はすべて15~30℃で保管してください。 1. 実験の流れ 2. キット以外にご用意いただくもの 3. 下水サンプル中の核酸の捕捉および濃縮 4. Maxwell を用いた核酸精製 5. 補足情報 1. 実験の流れ 以下の2段階の手順で核酸精製を行います。 ① 下水サンプル中の核酸の捕捉および濃縮 ② Maxwellを用いた核酸精製 2. キット以外にご用意いただくもの ・ Maxwell RSC Instrument (Cat# AS4500, AS8500) ・ イソプロパノール ・ 95%エタノール ・ 1.5mlマイクロチューブ ・ 50mlコニカルチューブ ・ 卓上遠心機 (3,000×g 以上) ・ スイングバケットロータ (50mlチューブ対応) ・ ヒートブロックもしくはウォーターバス (いずれも60℃対応) ・ 吸引マニフォールド (例:Vac-Man® Laboratory Vacuum Manifold Cat# A7231) Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/9 ・ Eluator™ Vacuum Elution Device (Cat# A1071) ・ 吸引ポンプ (例:Welch Vacuum Pump Cat# A6724) 補足:A7231、A1071、A6724 のセット品(Cat# JKC005)も利用可能です。 3. 下水サンプル中の核酸の捕捉および濃縮 試薬の調製 1. Column Wash 1 (CWE)のボトルにイソプロパノールを57ml 加える。 2. Column Wash 2 (RWA)のボトルに95%エタノールを350ml 加える。 調製後の試薬は15~30℃で保管可能です。揮発を防ぐため、密栓して保存してください。 核酸の捕捉と濃縮 3. 40ml の下水サンプルを50ml コニカルチューブに分取する。 補足:低温殺菌または未殺菌のどちらの下水サンプルも処理できます。 低温殺菌するには、サンプルを60℃で1 時間インキュベートします。 4. 溶出用のNuclease-Free Water を60℃に加温しておく(1 サンプルあたり600μl 程度必要)。 5. ステップ3 のチューブにProtease Solution を0.5ml 加え、転倒混和し、室温で30 分間インキュ ベートする。 6. 3,000×g で10 分間、遠心する。 7.上清を20ml ずつ新しい50ml コニカルチューブに移す。 *PureYield カラムの詰まりを防ぐため、遠心でサンプルに含まれる固形物をしっかり沈殿させ、持ち 込まないように除去することが重要です。 補足:沈殿物からの核酸精製を行う場合は、5.補足情報2 に従って精製を行ってください。 8. 各チューブにBinding Buffer 1 (BBD)を6ml、Binding Buffer 2 (BBE)を0.5ml 加え、転倒混和 して混合する。 9. 各チューブにイソプロパノールを24ml 加え、転倒混和して混合する。 10. Reservoir Extension Funnel をPureYield™ Binding Columns に取り付け、カラムを吸引マニフ ォールドに接続する。 11. ステップ9 の溶液全量をPureYield™ Binding Columns に取り付けたReservoir Extension Funnel に移し、吸引を開始する。 12. 5ml のColumn Wash 1 を加え、吸引する。 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/9 13. 20ml のColumn Wash 2 を加え、吸引する。 14. すべて吸引されたら、さらに30 秒間、吸引を続ける。 15. 吸引を止め、カラムをマニフォールドから取り外す。 16. Eluator™ Vacuum Elution Device に1.5ml マイクロチュー ブとPureYield™ Binding Columns セットする(右図)。 17. Eluator™ Vacuum Elution Device をマニフォールドに取り 付ける。 18. ステップ4 で60℃に加温しておいたNuclease-Free Water 250μl をPureYield™ Binding Columns に加え、吸引する。 19. もう一度Nuclease-Free Water(60℃)を250μl 加え、吸引する。全量500μl の溶出液が回収され る。 4. Maxwell を用いた核酸精製 1. サンプル数に応じて、ウェル#1(一番大きいウェル)が奥側になるようにカートリッジをデッキトレ イに配置する。 2. カートリッジをデッキトレイに押し込み、固定する(向きが正しくないと嵌りません)。その後、カー トリッジのシールを丁寧に剝がす。 注意:カートリッジ上部にシールやその接着剤が残らないようにしてください。 剥がす際は左下から右上方向に向けて斜めに剥がすときれいに剥がし易いです。 3. 各カートリッジのウェル#8(一番手前)にプランジャーを挿入する。 4. 各カートリッジにElution Tube をセットし、80μl のNuclease-Free Water を加える。 注意:Elution Tube の蓋は絶対に閉めないでください。 5. セクション3 のステップ19 の溶出液にBinding Buffer 1 を150μl、Binding Buffer 2 を50μl 加 え、全量をウェル#1 に移す。 6. [Enviro Total Nucleic Acid] メソッドを選択し、精製を開始する。 注意:精製を開始する前に以下の点をもう一度確認してください。 ・カートリッジが正しくセットされていること。 ・サンプルがウェル#1 に添加されていること。 ・Elution Tube にNuclease-Free Water 添加されていること。 ・Elution Tube の蓋が開いていること。 ・ウェル#8 にプランジャーがセットされていること。 7. 精製が終了したら本体の前扉を開け、Elution Tube の蓋を閉める。 Quick PROTOCOL 技術的なお問合せは: e-mail: prometec.jp@promega.com・Tel: 03-3669-7980 詳細なプロトコルは、英文マニュアルをご覧ください。 Revised 2025/9 8. Elution Tube を取り出し、適切に保管する。 ・–30°C~–10°C で保管してください。 ・凍結・解凍を繰り返すのは避けてください。 ・精製されたTNA は、直接RT-qPCR に使用可能です。 9. 使用済みのカートリッジとプランジャーを、施設のガイドラインに従って廃棄する。 5. 補足情報 下水サンプル40ml 以外のボリュームを用いる場合 下表に従って試薬の量を調製することで実施可能です。 表. サンプル量と試薬量の比率 ※サンプル量が 40ml を超える場合には、Protease Solution(Cat# A1442)、Binding Buffer 1 (Cat# A2981)、Binding Buffer 2(Cat# MC1501)の各単品製品を追加でご用意いただく必要があ ります。 汚泥や沈殿固形物から精製する場合 1. 2ml までのサンプルにNuclease-Free Water を8ml 加える。 2. Protease Solution を200μl 加え、よく混合し、室温で30 分間インキュベートする。 3. Binding Buffer 1 (BBD)を3ml、Binding Buffer 2 (BBE)を250μl、イソプロパノールを12ml 加 え、転倒混和して混合する。 4. 3,000×g で10 分間、遠心する。 5.上清をPureYield™ Binding Columns に取り付けたReservoir Extension Funnel に移し、吸引を開 始する。 補足:溶液を移す際に、沈殿物を持ち込まないように注意してください。 6. 以降は本プロトコル「セクション3 のステップ12」から同様に実施する。