RT-PCR 基本情報

RT-PCRにおいてRNAの2次構造に関する問題を解決するために有効な方法とは何ですか。

AMV RTはM-MLV RTよりも高い反応温度で活性を示します。このためAMV RTは強固な2次構造を持つ鋳型に対してはより良い選択であると考えられます。AMV RTは58℃まで活性を維持します。しかしながら、50℃以上ではすぐに活性は低下し、長時間の活性維持はできません。高温での逆転写を行う時に考慮することとして、プライマーのアニーリング温度が挙げられます。より高温での反応では42℃を最適のアニーリング温度とするoligo(dT)プライマーを使えない可能性があります。このように高い反応温度下では、目的の遺伝子に特異的なプライマーを使うことが望ましいです。

RNAの構造が問題となるサンプルを扱う場合に用いるべきその他の方法として2~5% DMSOの添加があげられます。DMSOは塩基対を解離させるため、増幅量を増加させることができます(1)。 Sodium pyrophosphate (<=4mM)も、RNAの2次構造や第1鎖 cDNAの収量を増加するための手段として、AMV RTを用いた2段階のRT-PCRのRT反応に添加されます(2)。pyrophosphateは、酵素のDNA伸長反応を遅くさせ、強固なRNAの2次構造による鋳型からの酵素の落下を起こりにくくします。M-MLV RTでは、pyrophosphateへの感受性が増加されているため、使用しないでください(3)。(PN71-Q&A)

参考文献:

  1. Frackman, S. et al. (1998) Promega Notes 65, 27.
  2. Kacian, D.L. and Myers, J.C. (1976) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 73, 2191.
  3. Roth, M.J., Tanese, N. and Goff, S.P. (1985) J. Biol. Chem. 260, 9326.

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