P450-Glo™ Assay System

P450-Glo™で測定したRLU値から、Km値やKi値を求めることはできますか?

① Km値
従来の方法どおり、基質-反応速度曲線からKm値を求めることができます。Km値を求める場合、基質によっては、反応速度が飽和する基質濃度より高い濃度ではルシフェラーゼの反応阻害が起こることが確認されています(表2)。よって高濃度での発光値は、さらに高い濃度での発光値と比較して反応阻害が起こっていないことを確認する必要があります。

表2 高濃度で反応速度の飽和が見られるP450-Glo™ Luciferin Substrateとそれに対応するCYP450分子種

P450-Glo™ Luciferin SubstrateCYP450分子種
Luciferin-ME1A2, 2C8, 2C9, 2J2, 4A11, 4F3B, 19
Luciferin-CEE1A1, 1B1, 3A7
Luciferin-H2C9
Luciferin-ME EGE2D6, 1A1, 1A2
Luciferin-H EGE2C19, 1A1, 1A2

プロメガで測定したP450-GloTMアッセイでのKm値は、製品マニュアルのTable2、または参考文献(1)に記載されています。

② Ki値
Ki値の算出は、基質濃度一定で、阻害剤の濃度を変更して測定する方法で算出することができます。
拮抗阻害剤の場合、Kiは以下の式から求めることができます。

Ki=IC50/1+([substrate]/Km)

非拮抗阻害剤の場合、Kiは以下の式から求めることができます。

Ki=[I]/(Vmax/Vimax)-1
[I]=阻害剤濃度、Vimax=阻害剤存在下でのVmax

CYP2C9の拮抗阻害剤sulfaphenazoleのKi値を求めた例を以下に示します。Luciferin-HのKm=103μMであり(1)、基質濃度を100μMとしたとき阻害剤(sulfaphenazole)のIC50が約10-7M=0.1μMとなりました(図2参照)。よってKi値は、以下のように算出されます。

Ki=IC50/1+([substrate]/Km)
=0.1/(1+{100/103})=0.1/1.97=0.05 (μM)

図2 P450-Glo™ Luciferin Substrate(Luciferin-H)濃度を一定にしたときの
sulfaphenazoleの濃度変化によるCYP450活性阻害の変化量

また、阻害剤の濃度を一定にして、基質濃度を変更する方法でもKi値を求めることができます。

参考文献
1. Cali, J.S. et al. (2006) Luminogenic cytochrome P450 assays. Expert. Opin. Drug. Metab. Toxicol. 2, 629-45.

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