P450-Glo™ Assay System

Luciferin-IPA、Luciferin-PPXE、Luciferin-PFBE、Luciferin-BE はどのように使い分けるのですか?

①Luciferin-IPAは、CYP3A4に特異的な基質です。他のCYP3A4基質はCYP3A5や3A7とも反応するため、生細胞アッセイでは正確なCYP3A4の誘導倍率を測定できません(図4パネルA)。またLuciferin-IPAは他の基質よりS/N比が高く、少量サンプルやCYP3A4活性が低いサンプルでとくに有用です。図4パネルBは各CYP3A4基質のS/N比を比較した図です。またLuciferin-IPAは中程度のDMSO耐性があり、DMSOに溶解したテスト化合物でのアッセイも可能です(図6参照)。

図4 各CYP3A4基質の酵素選択性とS/N比   

図5は、ヒト初代培養肝細胞をCYP3A4誘導剤であるrifampicinで処理し、CYP3A4活性誘導倍率を測定した結果です。誘導倍率は、rifampicin処理した活性(誘導活性)を、未処理の細胞活性(基底活性)で割って算出しました。
パネルAはLuciferin-IPAでの誘導倍率、パネルBはLuciferin-PFBE, -PPXE, -BEでの誘導倍率を比較したものです。Luciferin-IPAで最も高い誘導倍率を検出することができます。

図5  各CYP3A基質を用いたセルベースCYP3A4誘導アッセイ

②Luciferin-PPXEは、DMSO耐性の基質です。多くのCYP3A4反応は、DMSOによって阻害されるため、被験化合物の濃縮ストック溶液が DMSOで溶解されているときに問題となります。DMSOによる反応阻害は、薬物ライブラリーを用いたスクリーニングでは頻繁に見受けられます。
図6はLuciferin-PPXEのDMSO耐性を示す図です。Luciferin-BEやLuciferin-PFBEを用いたCYP3A4反応では DMSOに対して著しい感受性を示しますが、Luciferin-PPXEとの反応では認められません。そのため、DMSOの使用が避けられない、あるいは低減できない場合にはLuciferin-PPXEの使用をお薦めします。Luciferin-IPAは中程度のDMSO耐性を示すので、低濃度であればLuciferin-IPAも使用することができます。

図6 各CYP3A4基質のDMSO感受性

③Luciferin-PFBEは、CYP3A4、3A5、3A7のセルベースアッセイ用基質です。Luciferin-BEと比較してCYP3A分子種の基質選択性が高く、また良好な細胞膜透過性を示します。CYP3A4誘導アッセイにはLuciferin-IPAが最適ですが、CYP3A5、3A7のセルベースアッセイにはLuciferin-PFBEが最適です。

④ Luciferin-BEはもっとも初期に開発された基質であり、CYP3A4、3A5、3A7、4F12の酵素アッセイに使用することができますが、生細胞を用いたセルベースアッセイには使用できません。また、DMSOによって反応が強く阻害されます。

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