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プロメガ製品 Q & A 【 細胞内シグナリング 】

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ADP-Glo™ Kinase Assay

Q. 測定原理を教えてください。

Q. ADP-GloとADP-Glo Maxは何が異なりますか?

Q. 今までのキナーゼアッセイと比較してどのような特徴がありますか?

Q. ADP-Glo™で測定できるキナーゼにはどのようなものがありますか?

Q. キナーゼ以外の酵素にも使えますか?

Q. ADP-Glo™ Reagentを添加する前に、キナーゼ反応を停止しておく必要はありますか?

Q. 検出できるADP濃度の範囲を教えてください。

Q. 反応液に添加できるATP濃度の上限を教えてください。

Q. 試薬の保存条件を教えてください。

Q. 推奨する反応条件はありますか?

Q. ADP濃度とRLU値の相関性を調べるためにはどうすればよいですか?

Q. ステップ1、残存ATP分解反応のインキュベーション時間を変更することができますか?

Q. ステップ2、ADP変換反応のインキュベーション時間を変更することができますか?

Q. キナーゼ反応を37℃で行う必要があります。ADP-Glo™ Reagent添加後は室温で反応するように指示がありますが、キナーゼ反応直後にADP-Glo™ Reagentを添加することはできますか?

Q. 塩、有機溶媒、界面活性剤などはアッセイに影響しますか?

Q. 反応液のATP濃度を上げるとバックグラウンドが高くなります。原因は何ですか?また解決方法はありますか?

Q. 同じサンプルでアッセイを行った場合でも測定値がばらついてしまいます。どのような点に気をつければよいのでしょうか?

Q. 384 または1536-well plateを使用したHigh Throughput Screeningは可能ですか?

Q. シングルチューブタイプのルミノメーターでも測定できますか?

Q. 培養細胞抽出液中の酵素活性を測定できますか?

Q. Kinase Detection Bufferに溶け残りがある場合にはどうしたらよいでしょうか?

Q. ADPスタンダードが全く光りません。何が原因ですか?

Q. Kinase Enzyme System (KES)とは何ですか?

Q. キナーゼリストにない酵素も買えますか?今後酵素が増える予定はありますか?

Q. Kinase Selectivity Profiling Systemsとは何ですか? Kinase Enzyme Systemとは何が異なりますか?

Q. カタログ品と異なる組合せの酵素ストリップは買えますか?

[ 解 答 ]

ADP-Glo™ Kinase Assay

                    

Q. 測定原理を教えてください。

A. ADP-Glo™ Kinase Assayは以下の原理に基づいています。
キナーゼ(精製酵素)とそれに対する基質を用意し、ATPを含む反応液で反応を行います。キナーゼ反応ではATPがADPに変換されますが、ADP-Glo™を用いたアッセイは、反応後に生成したADPをATPに再変換しルシフェラーゼの発光量(RLU値)として測定します。
キナーゼ反応後のStep 1では、キナーゼ反応で消費されなかったATP (図1の青で示されたATPr) を分解します。次にStep 2でADPをATPに変換し、ルシフェラーゼ発光を用いて変換後のATP量 (図1の緑で示されたATPn) を測定します。
キナーゼ反応が十分に進行した場合はADP量が増加し、発光値は高くなります。逆に、キナーゼ反応が十分に進行しなかった場合はADP量が少ないため、発光値は低くなります。

ADP-Glo Kinase Assay測定原理
図1 ADP-Glo™ Kinase Assay測定原理

 

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Q. ADP-Glo™とADP-Glo™ Maxは何が異なりますか?

A. ADP-Glo™とADP-Glo™ Maxは使用できるATP濃度が異なります。ADP-Glo™ は最大1mM、 ADP-Glo™ Maxは0.5~5mMのATPに対応しています。どちらもキナーゼアッセイに使用できますが、比較的高いATP濃度が必要なATPaseアッセイにはADP-Glo™ Maxが適しています。

 

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Q. 今までのキナーゼアッセイと比較してどのような特徴がありますか?

A. 今までのキナーゼアッセイは、標識化合物や放射性化合物を使用するために操作ステップが多くなり、High Throughput Screening (HTS)には不向きでした。またプロメガの従来製品であるKinase-Glo™ は、キナーゼ反応後の残存ATP量を検出するため、酵素量が少ない・酵素活性が低い、などATPからADPへの変換効率が低い場合は検出感度が低いという問題がありました。
ADP-Glo™ は標識化合物が不要なため、簡単に、しかも安全にアッセイすることができます。またADPを測定するため、ATPからADPへの変換効率が低くても高感度なアッセイが可能です。多検体処理にも十分対応可能で、マルチウェルプレートでのアッセイを迅速に行うことができます。

 

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Q. ADP-Glo™で測定できるキナーゼにはどのようなものがありますか?

A. タンパク質、ペプチドを基質とするキナーゼをはじめ、脂質・DNA・糖・アルコールなど多様な物質を基質とするキナーゼのアッセイが可能です。

様々な化合物を基質とするキナーゼでのアッセイ事例
図2  様々な化合物を基質とするキナーゼでのアッセイ事例

 

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Q. キナーゼ以外の酵素にも使えますか?

A. ATPase (ABC transporter、AAA ATPase、ミオシンなどの運動性タンパク質ATPase、etc.) など、ADPが生成する反応に使用できます。ATPaseにはADP-Glo™ Maxがお薦めです。

 

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Q. ADP-Glo™ Reagentを添加する前に、キナーゼ反応を停止しておく必要はありますか?

A. 必要ありません。キナーゼ反応後に添加するADP-Glo™ Reagent (図1、Step 1) が酵素反応も停止させます。

 

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Q. 検出できるADP濃度の範囲を教えてください。

A. 25µl反応で、ADP-Glo™は0.2pmol から1mMまで、ADP-Glo™ Maxは0.5mMから5mMまで測定できます。ADP-Glo™ MaxはADP濃度が低い場合に検出感度が低いため、0.5mM以下でアッセイする場合はADP-Glo™ をお使いください。

 

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Q. 反応液に添加できるATP濃度の上限を教えてください。

A. 最大1mMのATPを添加することができます。

 

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Q. 試薬の保存条件を教えてください。

A. 未開封の製品は-20℃で保存して下さい。調製後のKinase Detection Reagentは分注して-20℃に保存して下さい。ADP-Glo™ Reagentは10回まで、調製後のKinase Detection Reagentは数回まで凍結保存を繰り返しても活性に変化はありません。

 

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Q. 推奨する反応条件はありますか?

A. ADP-Glo™ Kinase Assayでは、以下の反応条件を推奨しています。
反応液組成: 1X reaction buffer A (40mM Tris (pH 7.5), 20mM MgCl2, 0.1mg/ml BSA) + キナーゼ + ATP + 基質
※チロシンキナーゼまたはIκKβの反応には、2mM DTT, 2mM MnCl2, 100µM sodium vanadateの添加を推奨します。Sphingosine kinaseの反応には0.5mM DTTを添加して下さい。

反応温度:各キナーゼの至適温度
※ADP-Glo™ Reagent添加後は、室温でインキュベートして下さい (詳しくはこちらをご覧ください)。

 

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Q. ADP濃度とRLU値の相関性を調べるためにはどうすればよいですか?

A. キットに添付されているATPとADPスタンダードを使用して標準曲線を作成し、ADP量と発光値の関係を調べることができます。ADPのみの標準曲線を作成するのではなく、反応中のATPの何%がADPに変換されたかを調べるためにATPとADPの比率を変えて混合したサンプルで標準曲線を作成します。
例として、1mM ATP-ADP変換曲線の作成方法を示します。キットに添付されているUltra Pure ATP, 10mMとADP, 10mMをKinase Reaction Buffer (実際にキナーゼ反応に使用するもの)で希釈し、表1のように各濃度のATP/ADP混合液を調製します。各濃度のATP/ADP混合液25µlにADP-Glo™ Reagentを25µlずつ加えて40分インキュベートします。その後Kinase Detection Reagentを50µlずつ加え、40分インキュベートしたのち、ルミノメーターで発光を測定して下さい。

% ATP 100 80 60 40 20 10 5 4 3 2 1 0
1mM ADP (µl) 100 80 60 40 20 10 5 4 3 2 1 0
1mM ATP (µl) 0 20 40 60 80 90 95 96 97 98 99 100
% ADP 0 20 40 60 80 90 95 96 97 98 99 100

表1 ATP-ADP変換曲線のサンプル調製

1mM ATP-ADP変換曲線
図3  1mM ATP-ADP変換曲線

 

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Q. ステップ1、残存ATP分解反応のインキュベーション時間を変更することができますか?

A. マニュアルで推奨している40分よりも長くすることは可能です。少なくとも60分まで延長しても発光値は安定しています。 40分より短くすると発光値が安定せず、値がばらつく可能性があります。

 

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Q. ステップ2、ADP変換反応のインキュベーション時間を変更することができますか?

A. マニュアルで推奨している40分よりも長くすることは可能です。Kinase Detection Reagent添加後40分以降は発光値が徐々に増加し、3時間後には<20%の上昇が見られますが、シグナル/バックグラウンド比は一定です。
40分以前では発光値が安定しておらず、データのばらつきの原因になります。

 

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Q. キナーゼ反応を37℃で行う必要があります。ADP-Glo™ Reagent添加後は室温で反応するように指示がありますが、キナーゼ反応直後にADP-Glo™ Reagentを添加することはできますか?

A. キナーゼなどの酵素反応の温度はアッセイに影響しません。反応が終わったら室温に平衡化したADP-Glo™ Reagentを添加し、室温でインキュベートして下さい。

 

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Q. 塩、有機溶媒、界面活性剤などはアッセイに影響しますか?

A. よく使用される化合物の適合性は、以下の通りです。表にない化合物についてはお問い合わせください。

化合物 最大許容濃度
NaCl 200mM
CaCl2 2.5mM
Calmodulin 5µM
DTT 10mM
MgCl2 50mM
MnCl2 5mM
DMSO 5%
Sodium orthovanadate 500µM
Tergitol-NP-9 0.1%
Tween®-20 0.2%
Triton® X-100 0.2%

表2 各種化合物の適合性

 

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Q. 反応液のATP濃度を上げるとバックグラウンドが高くなります。原因は何ですか?また解決方法はありますか?

A. ATPは不安定な分子であり、高純度の製品でも分解産物であるADPの混入が避けられず、バックグラウンドの原因となります。混入するADP量は添加したATP量に比例するため、反応液のATP濃度が高くなるほどバックグラウンドが高くなります。
このADP由来のバックグラウンドを減少させる方法はありません。適切なコントロールをおいて、サンプルからバックグラウンドを差し引いて下さい。
なお、ADP-Glo™に添付されているUltra Pure ATPのADP混入量は0.5%以下です。

 

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Q. 同じサンプルでアッセイを行った場合でも測定値がばらついてしまいます。どのような点に気をつければよいのでしょうか?

A. 測定値のばらつきには、以下の点に注意してください。

(1) 反応温度の確認
ADP-Glo™の発光値はLuciferaseの酵素反応により算出されます。この反応は室温 (25℃)で最適化されています。Step 2の発光検出反応において、サンプルの温度が室温になっていることを確認してからKinase Detection Reagentを添加してください。また、Kinase Detection Reagent自身の温度も室温になっていることを確認してください。

(2) 有機溶媒や化合物の影響
テスト化合物を溶解した有機溶媒やテスト化合物そのもの、または反応液の成分が発光反応に影響を与える可能性が考えられます。キナーゼまたは他の酵素反応はpH7~8で行うことを推奨します。発光反応への影響は、サンプルの発光値と、酵素もしくは基質を含まないコントロールサンプルの発光値を比較することで確認できます。
プロメガではいくつかの化合物についてアッセイに影響しないことを確認しています。表2 各種化合物の適合性 をご覧ください。

 

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Q. 384 または1536-well plateを使用したHigh Throughput Screeningは可能ですか?

A. 可能です。384-well plateの場合は、キナーゼ反応:ADP-Glo™ Reagent:Kinase Detection Reagent = 5µl:5µl:10µlになるように、試薬の比率を1:1:2に調節して下さい。384-well plateでのプロトコールは製品マニュアル にも記載されています。
1536-well plateでの事例についてはお問い合わせください。

 

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Q. シングルチューブタイプのルミノメーターでも測定できますか?

A. 可能です。96-well plateでのアッセイでは、最終的にサンプル量は100µlになります (キナーゼ反応溶液25µl +ADP-Glo™ Reagent 25µl +Kinase Detection Reagent 50µl)。プロトコールに従ってアッセイを行い、測定時にサンプルを測定チューブに移してください。

 

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Q. 培養細胞抽出液中の酵素活性を測定できますか?

A. 細胞や組織抽出液には多種類のキナーゼ、ATPase活性が含まれるため、抽出液中の特定の酵素活性を直接測定することは推奨しません。分画や免疫沈降などによって粗精製したサンプルであれば測定が可能な場合があります。

 

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Q. Kinase Detection Bufferに溶け残りがある場合にはどうしたらよいでしょうか?

A. Kinase Detection Bufferは製品の性質上、沈澱物が含まれることがあります。Bufferを37℃で浸とうしながら15分間インキュベーションすることで溶け残りを減らすことができます。それでも溶け残りがある場合は、なるべく沈澱物が入らないように上清のみをKinase Detection Substrateと混ぜ合わせて下さい。マニュアルにも記載がございますが、測定パフォーマンスには影響はございません。また、若干Bufferがボトル中に残ってしまってもパフォーマンスに影響はございません。

 

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Q. ADPスタンダードが全く光りません。何が原因ですか?

A. ADP-Glo™ の発光にはマグネシウムイオンが必要であるため、PBS(-)や水などでADPスタンダードを調製すると発光しません。必ずサンプルには終濃度0.5mM以上のMgCl2を添加してください。

 

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Q. Kinase Enzyme System (KES)とは何ですか?

A. Kinase Enzyme Systemは高活性のキナーゼ、基質、バッファー、プロトコルが一体となったシステムで、そのままキナーゼ阻害剤のスクリーニングやキナーゼプロファイリングに利用することができます。ADP-Glo™ とのセット品を選べばすぐにアッセイを始めることができます。キナーゼリスト、プロトコルはこちら

 

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Q. キナーゼリストにない酵素も買えますか?今後酵素が増える予定はありますか?

A. Kinase Enzyme SystemのキナーゼはSignalChem社から提供されています。プロメガのキナーゼリストにない場合は、ShignalChem社のラインナップをご確認ください。SignalChem Kinase List。
2014年12月現在174種類のキナーゼがラインアップされております。キナーゼの追加については未定です。

 

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Q. Kinase Selectivity Profiling Systemsとは何ですか? Kinase Enzyme Systemとは何が異なりますか?

A. Kinase Selectivity Profiling Systems は、キナーゼ選択性プロファイリング用に最適化されたキナーゼパネルとADP-Glo™ のセットです。Kinase Enzyme Systemと同じくキナーゼ、基質、反応バッファーが含まれますが、キナーゼ1種類ごとではなく複数のキナーゼがセットになっています。1ストリップあたり8種類のキナーゼを含むキナーゼファミリーごとのストリップが14セット、またはヒトキノームの代表的なキナーゼ24種類のパネルがあります。

キナーゼパネル一覧

キナーゼパネル一覧。左のストリップがキナーゼ、右のストリップが基質のストリップを示す。

 

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Q. カタログ品と異なる組合せの酵素ストリップは買えますか?

A. 2014年12月時点ではカタログ品の組合せのみご提供しています。

 

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